1. えがおのコラムNo.20「親権と養育費に関する問題ー②」
親権と養育費に関する問題ー②

「親権と養育費に関する問題ー②」

前回は親権者の決定に関する内容を説明させてもらいましたが、次の段階としては養育費は実際に幾らくらいもらえるのか?という事かと思います。 また、養育費も決めたけどちゃんと払ってもらえない場合もどうすればいいのか?に関しても説明していきたいと思います。

養育費の計算方法について一般的に言われているのは、家庭裁判所が収入に応じて目安とする為の養育費算定表を公開しておりますが、 算定表の月額が完全な指標になるわけでない。という事に留意しておかないといけません。

算定表は、子供が通う学校は公立学校に進学する事を前提として算出していますので、子供が私立学校へ既に通っていたり、進学する事が決まっている場合は算定表の養育費だけでは明らかに不足しますし、 同じ収入水準の家庭がいくつかあったとしても支出する生活費は各家庭の事情によって異なりますので、算定表だけで養育費を定めると現在の生活の維持どころか生活が成り立たなくなることも起こり得ます。

離婚後には生活水準を下げる事はやむを得ないのですが、どこまでを算定表の養育費でカバーできるかは各家庭によっても変わってきます。養育費を定める夫婦間の協議において、現実にどれだけ毎月の養育費が必要になっているのかを具体的に説明をする事が重要です。

養育費は、子どもの監護費用になりますので離婚後に子供と同居しない側からすればできるだけ支払いたくないと考え、同居する側からすれば離婚後に子供に苦労をさせたくないと考える方が殆どです。 現実に即した養育費の金額の協議をするために、これまでの実際の家計簿があると協議にしても調停にしても信頼性が認められますので効果的です。

離婚する事自体は致し方ない事かと思いますが、養育費はあくまでも子供の権利とも言えるかと思いますので、安易に算定表だけで養育費の取り決めをすることはせず、 現実的に生活を維持できるか?という事も協議や調停を行う前に確認をしておくことも大切です。

また、児童扶養手当などの公的扶助を受けられるんだから・・・と養育費を払う側が主張する事も少なくありません。公的扶助による手当は決して小さな額ではありませんので、 公的扶助が収入に加味されて考えられることも現実にはあるようですが、本来は養育費の算定においては公的扶助を含めて考えるのではなく

公的扶助はあくまで生活を補助する役割になりますので、私的扶養となる養育費の支払い義務が減免される事を考えるのではなく、まずは父母の間で子供の監護費用を分担する。という法律の考え方に基づき、 養育費を受領する側が公的扶助を受けていたとしても、養育費の算定には考慮されないことになります。

養育費の金額が決まると、次に実際にいつまで養育費を支払うのか?が重要になってきます。まだ自立して経済生活を送ることが将来的に期待できていない子のことを、未成熟子といいますが 未成熟子は、必ずしも未成年であるとは限りません。たとえ成人していても、病気や障害などで扶養が必要になっていると未成熟子の範疇となります。

大学等の学校に通っている場合も完全に未成熟子であると判断する事は難しいところですが、経済的な生活力がなければ未成熟子と考えられる事もあります。 また反対に、未成年であっても既に就職して経済的に自立して生活していけるようになっているのであれば、親が養育費を負担することはないとも考えられています。

一般的には、子供が20歳のとなり成人となるまでを養育費の支払い義務として考えられていますが、離婚時の協議で子供が大学等を卒業するまで養育費を支払うと合意をする場合や、 一応大学までを見込んで考えておき、高校を卒業し就職した場合は養育費を18歳までとして取り決めておくことも少なくありません。

だからと言って、大学卒業までは十分な経済収入が得られないから養育費の支払義務があるのか?というと一概にそうであるともされておらず、基本的に養育費の終期は成人までと家庭裁判所では考えています。 養育費支払義務者の収入や学歴等も考慮して、大学卒業までが妥当であるとされることもありますので、大学まで進学しない場合は養育費は20歳まで、大学へ進学したときは大学を卒業するまで養育費を延長すると約束しておく方法も考えられます。



次回⇒ 養育費を払ってくれない場合・・・を5月18日に更新予定。

記事一覧へ