
不倫関係の平均期間と慰謝料への影響を解説
JAPAN SE SURVEY(ジャパン・セックスサーベイ)が2017年に行った調査によると、これまでに不倫をしたことがあるという男性は37%だったのが、2020年の調査では67.9%と大幅に増えていることが分かっています。
この記事では、不倫の平均期間はどれ位か、不倫期間が長いと慰謝料が高くなるのは本当なのか、など不倫にまつわるあれこれをくわしく解説します。
参考:<a href="https://www.jfpa.or.jp/pdf/sexservey2020/JexSexSurvey_all.pdf">「ジャパン・セックスサーベイ2020」</a>
不倫の平均期間はどれ位?

不倫の平均期間は1年位といわれています。株式会社カケコムが不倫経験者100人に行った調査によると、最も多かったのが1~3年の24%で、3年以上継続して不倫しているというケースは1割程度でした。
全体で見ると不倫を経験する人は多いものの、それほど長く不倫関係を継続することは少ない、ということのようです。
参考:<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000019346.html">「不倫期間と不倫の終わり方に関するアンケート」</a>
不倫の平均期間が長いと慰謝料は高くなる?

基本的に不倫関係が長くなると、慰謝料を高く請求される傾向があります。
また、不貞行為(結婚している男女が配偶者以外の相手と肉体関係を持つこと)の回数が多い場合も同様で、慰謝料が高くなるケースが多いです。
ただ、これらは一般的な傾向であり、それぞれの事情や環境によっては慰謝料が増額されたり、逆に慰謝料を請求できないケースもあります。
不倫期間が長いとされるのはどれ位から?
不倫関係が長いとされるのは平均期間の1年以上から、といわれています。
3か月や半年、1年未満の不倫関係は「短い」と判断されると考えられます。
実際に前述の調査結果でも、不倫期間が1年未満だったと答えた人が50%でした。不倫関係は刺激的に感じられる反面、長続きしない特徴があります。
平均期間である1年以上の不倫関係は長いと判断されることが多いです。
不貞行為の回数が多いと判断されるのは何回から?
不貞行為の回数も、不倫関係の長さと同様に慰謝料の増額につながります。
1~3回程度の不貞行為では、不貞行為は少ないと判断されることが多く、20回以上では「多い」と判断され、慰謝料が増額されるケースが多いです。
ただし、1回でも20回でも、被害者側にとってはショックを受けることには変わりありません。ただ、慰謝料としては回数が多くなると増額されます。
浮気の本気度も慰謝料に関係する?
不倫に対する慰謝料の金額に影響を与えるポイントのひとつに「不倫関係の状況」があります。例えばどちらが先に誘って不倫に至ったか、です。
これは不倫の継続期間や不貞行為の回数、「不倫相手があなたを既婚者と知っていたか」「あなたを配偶者と知った後も肉体関係を続けたかどうか」などのポイントによって、慰謝料が増額または減額される可能性があります。
また、浮気相手が妊娠や出産をした場合には、不倫の継続期間(平均期間に関わらず)慰謝料が増額される可能性が高いです。
これは、浮気相手の妊娠や出産が配偶者の妻からすれば大変ショッキングなできごとだからです。
そもそも、どこからが不倫(浮気)?
不倫(浮気)と認められるのは、どこからでしょうか。キスをしたら?それとも二人で腕を組んで出かけたら不倫でしょうか?
法律によれば、不貞行為とは「配偶者のある者が、その自由意志に基づいて配偶者以外の者と性的関係を持つこと」。つまり、肉体関係があるかどうかが、不貞行為と認められるかどうかを決めるポイントになります。
不倫(浮気)が長期化する理由
浮気が平均期間を超え長期化する理由は、いつでも会えるわけではないため「新鮮で刺激的な関係が続きやすい」ことが挙げられます。
W不倫の場合、恋愛を楽しみながらも割り切った関係であるため、お互いに負担になりにくく、ずるずると不倫関係が長期化してしまいます。
人に言えない秘密の恋愛であることを刺激的に感じてしまうことも理由のひとつです。
慰謝料を請求できないケースとは
不倫期間が平均期間の1年より長くても、慰謝料を請求できないケースとは、「浮気相手が既婚者と知らなかった、知る状況になかった場合」です。
実際、結婚していることを隠して異性と浮気やお付き合いをする人も少なくありません。このような場合、不倫相手もある意味被害者ということになるため、慰謝料を請求することはできません。
不倫(不貞行為)の慰謝料の相場
不貞行為があった場合の慰謝料の相場はいくら位なのでしょうか。これは、不倫が原因で夫婦が離婚したり別居した場合、婚姻関係を継続した場合によって相場の金額が異なります。また証拠の有無も重要です。
分かりやすく表にまとめてみましたので、こちらでご確認ください。
なお、これはあくまで相場であり、どの状況に置かれているかによって慰謝料は変わります。
【慰謝料の相場】
不倫(不貞行為)の後も夫婦関係が続いている場合 | 50~100万円 |
不倫(不貞関係)が原因で別居した場合 | 100~200万円 |
不倫(不貞行為)が原因で離婚した場合 | 150~300万円 |
不倫前の夫婦関係も重要
不倫前の夫婦関係が良好だったかどうかも、慰謝料の金額に影響します。
不倫前は非常に仲の良い夫婦であったものが、不倫(浮気)をきっかけに関係が悪くなったという場合には、慰謝料は増額される可能性が高いです。
また、結婚生活が長い方が慰謝料は高くなる傾向があり、結婚生活の年数が10年以上になる夫婦の場合は「結婚生活が長い」とされ、5年未満の場合は「短い」と判断されることが多いといわれています。
慰謝料が減額される場合とは
慰謝料が増額されるケースもあれば、逆に減額されるケースもあります。
例えば不倫(不貞行為)が平均期間である1年以上続いていても、すでに配偶者と別居していたり、結婚生活が破綻していた場合には、慰謝料請求が認められなかったり、請求が認められても減額されることがあります。
また配偶者があなたの存在を隠して不倫していた場合は、浮気相手に慰謝料を請求することはできません。
不貞行為を続けるリスクとは

不倫関係を長い年数続けていると、さまざまなリスクがあります。平均期間である1年以上不倫をしている人はこれらのリスクを踏まえ、不倫関係を継続するか、清算するかを今一度考えてみてはどうでしょうか。
浮気のつもりが本気になってしまい、ずるずると交際を続けた結果、不倫がバレて仕事も友人も失くしてしまう可能性もあります。
①慰謝料を請求される
実は不倫は民法で定めるところの「不法行為」にあたる違法な行為です。
独身の人が既婚者と不倫した場合、相手の配偶者は精神的苦痛を受けるため、損害賠償義務として慰謝料が発生します。(民法709条)
既婚者の場合も、自身の配偶者から慰謝料を請求されることがあります。
たった一度の浮気で、慰謝料が50万ほど請求されることもあれば、長期にわたる不貞行為の場合、慰謝料が増額される可能性があります。
②社会的信用を失う
職場内で不倫していた場合、職場の秩序や風紀を乱し、業務に悪影響を及ぼすと判断されれば自分も相手も懲戒処分の対象になり、異動や降格、または退職勧奨される可能性があります。
このような処分をされれば、会社に残れたとしても、噂が広まり、職場に居づらくなるでしょう。それまで築いてきたキャリアや功績を台無しにしてしまうことになります。
職場以外の不倫であっても、友人や知人に不倫がバレれば信頼を失くし、距離を置かれたり、縁を切られる可能性があります。
③婚期を逃す
30歳前後で不倫をしている人は、結婚しなくて良い関係を楽だと考える人が多いようです。でもその楽な関係を続けた結果、婚期を逃してしまうことも少なくありません。自分の人生は自分で責任をとらなければいけません。
とくに女性の場合、不倫しているうちに高齢出産といわれる年齢になっていたり、出産が望めない年齢になっているケースもあります。
④妊娠の可能性
長く不倫関係を続けていると、妊娠のリスクも高まります。
妊娠した場合、堕胎(中絶)しても出産しても問題が生じます。
堕胎する場合は費用もかかりますし、気持ち的にも肉体的にも大きなダメージを受けることになるでしょう。
出産する場合は、相手の同意が得られない可能性が高いですし、仮に相手の同意が得られても結婚できる可能性は低いでしょう。
不倫相手と再婚したとしても、前の家族に子どもがいた場合、養育費の支払いなどで生活が困窮する可能性も高いです。
⑤ストレスでうつ状態になる
不倫が平均期間の1年を超えて長くなると、不倫関係のストレスからうつになってしまう人もいます。
普通の恋愛と違って、我慢する時間が多いため、相手が自分をどう思っているのか、ただの浮気相手だと思われているのではないか、「結婚する」という相手の言葉を信じて良いのか、など一人で思い悩み、精神を病んでしまうケースは少なくありません。
周りの友達が結婚したり、出産したりするとより精神的に不安定になり、症状が悪化することもあります。
関係を清算するには

不倫関係を続けるとリスクが多いことはお分かり頂けたと思います。
では、不倫関係を清算するには、どうすれば良いのでしょうか。
実際、不倫の平均期間である1年を超えてくると、不倫を止めるのは簡単なことではありません。
ただ前述のリスクを考えて、一日も早く不倫関係の清算をおすすめします。
仕事も生活もあるわけですから、いきなり身を隠すのは非現実的な方法ですし、自然消滅も難しいです。後悔しない清算方法を実践しましょう。
①お互いが望む結果の可能性を考える
自分と相手がこの先どうしたいのかを整理してみましょう。
結婚したいのか、別れたいのか、自分にとって相手は浮気相手なのか、この先一緒に過ごしたい相手なのか、落ち着いて考えてみると、どうするべきなのかが見えてきます。相手にとっても、落ち着いて話し合うことで気持ちの整理がつく場合もあります。まずはお互いの気持ちを確認してみましょう。
②離婚する
現在の配偶者と離婚する場合、自分の不貞行為が原因なら慰謝料のこと、子どもがいる場合は養育費のことなどをしっかり話し合う必要があります。
とくに養育費の支払いは子どもが成人するまで続きますから、離婚後の生活設計を見直す必要も出てくるでしょう。
浮気相手との再婚を考える場合も、養育費を支払う旨を説明しておかないと後々トラブルに発展する恐れがあります。
また、配偶者が不貞行為を行っていた場合には、弁護士などに相談して、慰謝料をしっかり請求するようにしましょう。
③不倫相手と別れる
不倫の平均期間を過ぎ、結婚するつもりもないのであれば、不倫関係を清算して不倫相手と別れる方法が一番理想的ではあります。
ただし、相手が別れに納得しない場合、ストーカーに変身する場合もありますから注意が必要です。これまでの浮気を暴露しようとしたり、恐喝したりというトラブルに発展しないよう、上手にお別れしましょう。
不倫(浮気)相手との別れ方
浮気相手と上手に別れるには、段階を踏んで徐々に距離を置くのが効果的です。不倫(浮気)の平均期間が長ければ長いほど、関係を清算するのは難しくなります。急ぎ過ぎると浮気相手の感情を逆なでするかも知れません。
肉体関係を持つ頻度を徐々に減らす、仕事などを理由に合う回数を減らす、また不貞行為を続けるリスクを伝えて納得してもらうのも良い方法です。
まとめ

平均期間の1年を超えた不貞行為について慰謝料請求を考えている方、または逆に慰謝料請求をされそうな方は、一度NPO法人よつばの無料相談を利用されてみてはどうでしょうか。
NPO法人よつばの無料相談は、一人で悩みを抱える人の気持ちに寄り添い、問題解決に向けて誠意を持ってアドバイス致します。
無料なら相談してみようかな、と思われたらぜひお問い合わせください。