
熟年不倫のきっかけや離婚時のメリット・デメリットを解説
「もういい年だけど、夫が不倫をしているみたい。原因は何だったの?」
「妻が浮気して熟年離婚になりそうだけど、この歳で離婚して大丈夫なのだろうか」
こんな風に疑問を抱いていませんか。
長年連れ添ったパートナーが不倫や浮気をしていたと知ると、ショックですよね。
離婚するとしても慰謝料などのお金の問題や、別れてからの生活が不安なことでしょう。
この記事では、熟年不倫に走る理由や熟年離婚のメリット・デメリット・お金のことを解説していきます。
なお、「熟年」ということばは定義が曖昧ですが、熟年離婚という場合、結婚後20年以上経過しての離婚を指すようです。
よって、本記事では40~60代を熟年として進めます。
熟年不倫の背景

熟年不倫をしている人は意外にも多くいます。
相模ゴム工業株式会社の調査によれば、10,946人の男女のうち、結婚相手・交際相手以外に性行為をする相手がいる人の割合は以下の通りでした。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
20代 | 29.5% | 16.5% |
30代 | 30.9% | 17.9% |
40代 | 30.1% | 17.1% |
50代 | 24.5% | 14.3% |
60代 | 19.8% | 10.5% |
参考:02 パートナー・セックスの回数・浮気 etc|ニッポンのセックス 2018年版 (http://www.sagami-gomu.co.jp/project/nipponnosex2018/02_partner_sex.html)
この調査によると、40代~60代でも意外と多くの方に不倫相手がいることがわかります。つまり、熟年不倫は全くありえないことではないということですね。
このように、熟年不倫に走る人が多い背景として、1つはSNSの普及が考えられます。
SNSなら、昔の連絡手段であった電話や手紙よりも不倫相手・浮気相手と連絡が取りやすいです。
やりとりする手間が少ない分メッセージの回数も多くなり、親密度は高まるでしょう。
もう1つは、女性の男性ホルモン増加です。
医学的に、女性は35歳を過ぎると男性ホルモンが増加すると言われています。
そして、男性ホルモンが増加すると性欲も強くなる傾向にあるため、35歳以降の女性が熟年不倫に走ることも考えられるのです。
熟年不倫に走る理由

では、熟年不倫に走る理由とは一体何でしょうか。
考えられる理由として、以下の3つが挙げられます。
- お金や時間に余裕ができた
- 親の介護に疲れた
- 夫・妻のDVが辛い
順番に見ていきましょう。
お金や時間に余裕ができた
熟年になると、子どもが巣立ち経済的に余裕ができる人も多いでしょう。
人生経験が豊富でお金がある人は頼もしく魅力的に見えるため、異性が寄って来るのも無理はありません。
また、熟年になると時間にも余裕ができます。
特に定年間近になると引き継ぎ準備に入り、仕事にも余裕ができてくるでしょう。
お金や時間ができたことをきっかけに熟年不倫に陥ってしまう可能性は、十分考えられます。
親の介護に疲れた
熟年だと、実の親や義理の親の介護が大変な人もいます。
介護は上手くコミュニケーションが取れないことや無理難題を言われることもあり、精神的・肉体的にかなりの疲労がたまります。
介護疲れの癒しを夫や妻ではなく、別の異性に求めてしまうことがあるようです。
夫・妻のDVが辛い
パートナーから受けてきたDVが原因で、他の異性に魅力を感じ不倫関係になる人もいます。
これまでは他の異性に惹かれても「子どもがいるから一線を超えてはいけない」とブレーキがかかっていたかもしれません。
しかし、年齢を重ねると子離れし我慢する必要がなくなることや、DVを受けた回数も積み重なって熟年不倫に走りやすくなります。
すぐに暴力を振るうパートナーと違い、優しい異性は心の支えとなるのです。
熟年不倫による離婚のメリット・デメリット

それでは、熟年離婚のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
メリットは、次の4つです。
- 自由になれる
- 義父・義母の介護から解放される
- 親族との縁が切れる
- 新しい出会いがある
自由になれる
離婚をすると自由になれます。
今まではパートナーのために仕事をしたり家事をしてきたでしょう。
1人になれば、好きなときに好きなことができます。
人生の折り返し地点にきて今後の人生を見つめ直したときに、不倫をするような相手とこの先一緒にいられるかというと、難しいかもしれません。
熟年離婚をして、自由に生きていく選択肢もあるのです。
義父・義母の介護から解放される
離婚をすることで、義父や義母の介護をする必要がなくなります。
現在介護をしていない人も、これから介護が必要になるかもしれません。
実の親でも介護は大変です。
不倫をした人の親の面倒を見るのはよりきついですし、どこかで「なぜ自分が介護しているんだろう」と感じるタイミングが来るはずです。
熟年離婚をすれば、義両親の介護という精神的・肉体的疲労から解放されます。
親族との縁が切れる
離婚により、親族との面倒な付き合いもなくなります。
これまで親族の集まりで何かと準備をしたり気を揉んだりしていたかもしれませんが、それもなくなるのです。
親族には元々違う家庭で育ってきた人も加わっていくため、意見の食い違いでストレスがたまったこともあったでしょう。
熟年離婚をすれば、親族との縁が切れるのです。
新しい出会いがある
熟年離婚をすると新しい出会いも見つかります。
自由になることから行動範囲が広がり、新しい友人ができるかもしれません。
また、恋愛もできます。
熟年不倫があるのですから、熟年でも恋愛は可能です。
これまでとは違った友人や恋人とともに、残りの人生を楽しめます。
デメリット
デメリットは、次の4つです。
- 孤独になるかもしれない
- 経済的な不安
- 子どもに迷惑がかかるかもしれない
- 財産分与によるトラブル
孤独になるかもしれない
熟年離婚により、孤独な老後を迎えるかもしれません。
定年退職をすると、社会とのつながりが途絶えてしまいます。
家には自分以外誰もおらず、外にもコミュニケーションを取る人がいないとなると、精神的ストレスを感じることもあるでしょう。
離婚後にずっと1人という寂しい人生を送るかもしれないのです。
経済的な不安
熟年離婚をすると、生活が苦しくなる可能性もあります。
自分が何歳まで生きるか分からないですし、ケガや病気をするとお金がかかるでしょう。
自分で身の回りのことができなくなると、老人ホームへの入居も考えなければなりません。
配偶者が亡くなった場合にもらえる遺族年金も支給されないため、年金や貯金を考慮して生活できるかどうかよく考える必要があります。
子どもに迷惑がかかるかもしれない
熟年離婚をすることで子どもに迷惑がかかることもあります。
仕送りを送ったり介護をしたりと、子どもに負担となることはさまざまにあります。
老人ホームに入るにしても、お金がなければ入居費用を支払うのは子どもです。
孫がいれば、子どもにかかる金銭的・体力的な負担はなおさらでしょう。
財産分与によるトラブル
後ほど解説しますが、離婚の際には財産分与があります。
この財産分与が大きなトラブルになりやすいです。
例えば、パートナーに黙って貯金を別の口座に移したり、資産を勝手に処分したりなどが考えられます。
財産分与で揉めてストレスがたまったうえ、取り分が思っていたほどなかった場合の精神的負担は計り知れません。
熟年不倫で離婚する場合に考えるべきお金のこと

熟年離婚をするうえで気になるのがお金でしょう。
ここでは、離婚に関わってくるお金について解説します。
慰謝料
離婚により精神的苦痛を受けた場合は、慰謝料の請求が可能です。
パートナーの不倫が離婚の原因であれば、多くは慰謝料が受け取れます。
ただし、裁判所が個別に判断するため、必ずしも慰謝料を受け取れるとは言い切れません。
財産分与
財産分与とは、夫婦生活の中で協力して築き上げた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することです。
財産分与の対象は、名義は関係なく結婚している間に2人で築き上げた財産となります。
例えば、夫婦で一緒に購入した不動産・家具・自動車・保険返戻金などです。
財産分与は先ほど述べた通りトラブルになりやすいため、弁護士に依頼したほうがよいでしょう。
年金分割
年金分割とは、離婚後に片方の年金の一部を分割してもう片方が受け取れる制度です。
外で勤めている人と家庭に入っている人の公平性を保つのが年金分割制度の目的です。
ただし、年金分割制度の対象は厚生年金と共済年金のみ。
国民年金や厚生年金基金、国民年金基金などは対象外となります。
婚姻費用
婚姻費用とは、法律上婚姻関係にある夫婦で分担する家族の生活費のことです。
離婚が成立するまでの間は夫婦ですから、たとえ別居中でも経済力のあるほうが生活費を支払う義務があります。
離婚の話し合いが長引けば、その間も収入の多いほうは婚姻費用を支払い続けなければなりません。
慰謝料請求のポイント

熟年離婚のデメリットを踏まえた結果、夫婦関係を継続することになった場合でも慰謝料の請求は可能です。
慰謝料は配偶者と不倫相手の双方に請求できますが、離婚しないならば配偶者に請求してもあまり意味はありません。
そのため、不倫相手に請求するのが一般的です。
ここでは、不倫による慰謝料請求のポイントを解説します。
慰謝料請求の時効
慰謝料請求には時効があります。
特に熟年不倫の場合、長い間不倫関係にあった可能性がありますから、時効により請求できなくなるのではと疑問に思う方もいることでしょう。
原則、不倫を知った日から3年で時効を迎えます。
また、不倫の事実を知らないまま20年が過ぎた・不倫相手が誰か分からないまま20年が過ぎた場合は、慰謝料請求ができなくなることがあります。
明確な証拠が必要
不倫を理由に慰謝料を請求する場合、明確な証拠が必要です。
慰謝料を請求できる不倫は、法律上「不貞行為」と呼ばれるものです。
不貞行為とは、あなたの夫・妻と不倫相手が性的関係を結ぶことをいうため、性交渉があったことを証明できるものが必要になります。
例えば、通話履歴・SNSやメールのやりとり・写真・動画・ラブホテルの利用履歴などです。
もしパートナーが不倫を自白した場合は、録音しておくと証拠にできることが多いです。
お困りの方には無料で相談にのっています

熟年不倫が発覚したら、ショックとともに離婚が頭をよぎることもあるでしょう。
熟年離婚は増加しているとはいえ、自分の周りに経験者がそうそういるものでもありません。
もし相談できそうな人がいないなら、こちらで無料で相談にのっています。
お気軽にご連絡ください。
まとめ
熟年不倫が多くなっているといっても、自分のパートナーが不倫をしていたら信じられないでしょう。
熟年離婚をすれば自由が手に入りますが、将来的に不安な要素は多くあります。
離婚に伴いお金も絡んでくるため、慎重に検討しましょう。
当事者だけですべてを決めるのは難しいものです。
できれば弁護士など専門家や第三者への相談をおすすめします。
まだまだ長い人生ですから、納得のいく結論を出してくださいね。