1. 簡単には別れられない?離婚が認められる理由を解説
簡単には別れられない?離婚が認められる理由を解説
簡単には別れられない?離婚が認められる理由を解説

離婚理由のランキングや法律のプロ(弁護士)を利用する必要性を紹介

離婚は結婚の数倍も大変といいます。二人の話し合いで合意できれば理由らしい理由がなくても離婚は成立するのですが、一方が離婚を拒否すれば簡単には別れることができません。

家庭裁判所で離婚裁判を行うことになると、まず離婚の理由を明確にしなければなりません。理由によっては離婚が認められないこともあります。

そこで今回は、離婚裁判において離婚が認められる理由「法定離婚事由」についてわかりやすく解説しています。

ひとりで離婚の悩みを抱えている方も、法律上の離婚理由や考え方を理解することで、より前向きな気持ちになれることでしょう。

目次

二人が合意できれば理由はいらない

二人が合意できれば理由はいらない

メディアではよく「3組に1組が離婚する」といわれています。年間当たりの離婚件数を婚姻件数から割り出した離婚率が32%前後で、それが20 年近く続いたことから3組に1組といわれるようになりました。

最近は特に熟年離婚が増加しています。では、どのような理由で離婚に至るのでしょうか?

下表は、家庭裁判所が公表している司法統計を基に作成した離婚理由トップ5です。このランキングを見ると男女とも理由の1位が「性格が合わない」となっています。

【離婚理由ランキングトップ5】

順位 男性(件数) 女性(件数)
1位 性格が合わない(11,030) 性格が合わない(18,846)
2位 精神的に虐待する(3,626) 生活費を渡さない(13,820)
3位 その他(3,545) 精神的に虐待する(12,093)
4位 異性関係(2,547 ) 暴力を振るう(10,311)
5位 家族親族と折り合いが悪い(2,463) 異性関係(7,987)
参考:裁判所 平成29年度 司法統計第19表 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所

法律では「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる」と定められています(民法第763条)。二人で話し合って離婚することに合意すれば理由は特に必要ありません。これを協議離婚と言います。

離婚裁判では法で定められた理由が必要

離婚裁判では法で定められた理由が必要

二人で話し合っても、一方が離婚を拒否して離婚届に署名捺印しなければ協議離婚は成立しません。話し合いでは無理なら家庭裁判所に調停の申し立てを行うことになります。

調停でも財産分与や子供の親権など離婚の条件を提示して話し合いますが、2名の調停委員を介して話し合うことになるので、二人が直接顔を合わせることはありません。

調停委員には結論を出す決定権はないため、話し合いの結果、合意に至らない場合は、最後の手段として離婚裁判を検討することになります。

調停でも離婚の理由についてはとくに規定はありませんが、裁判となると法律で定められた離婚理由(法定離婚事由)に該当していることが必要になります。

離婚理由のいずれかにあてはまれば、相手の合意を得る必要がなくなります。

相手が「絶対離婚はしない」と強硬に拒否しても離婚が認められ、理由によっては慰謝料を請求することも可能になります。

裁判で離婚が認められる5つの法定事由

裁判で離婚が認められる5つの法定事由

法律で定められている離婚事由は5つあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

必要な理由1.配偶者に不貞行為があったとき

婚姻関係にある二人には配偶者以外の異性と性交渉をしないという貞操義務があり、それに反する浮気や不倫を不貞行為と言います。

不貞行為のために婚姻関係が破綻していることが前提で、破綻するまでに至らない場合は離婚請求が認められないことも。

理由を述べるだけでなく、裁判所が不貞行為があったことを確認できる証拠を提示する必要があります。

不貞行為が明らかな場合は、慰謝料を請求することも可能です。

必要な理由2.配偶者から悪意で遺棄されたとき

夫婦には共に暮らし、協力して扶助しなければならないという「同居・協力・扶助義務」も課せられています。その義務を一方的に果たさないことを「悪意の遺棄」といいます。

具体的には、理由もなく自分勝手に別居する、分担すべき家事を一切しない、浪費癖や借金癖でお金がなくて生活費を入れないなど、家庭を顧みない行為を指します。

必要な理由3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

最後に連絡を取り合ってから3年以上、生死がわからない状態が続いている場合は、裁判で結論を出すことになります。

本来は離婚協議、離婚調停を経て離婚裁判に進むのですが、話し合うことは不可能なので最初から離婚裁判を起こすことが認められています。

相手が生存している可能性はあるが、確認のしようがなく、これ以上我慢して待つ必要なしと裁判官に判断してもらうことが大切で、そのためには警察への捜索願いや配偶者の親兄弟からの陳述書などを提出する必要があります。

必要な理由4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

強度の精神病とは、夫婦の義務である「協力・扶助」が果たせないほど重い精神疾患にかかり、回復も難しい状態を指します。

具体的な病名としては統合失調症や躁うつ病などが挙げられますが、回復の見込みがあるかどうかは専門医の鑑定が必要になります。

なお、精神病を理由に離婚を認めることに裁判官は極めて慎重です。

精神病は本人の責任だけではありませんし、夫婦には扶助義務があります。裁判官は離婚後に病気を抱えて安定した生活環境を維持できるかどうかも判断する必要があるからです。

必要な理由5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

「婚姻を継続し難い」とは、夫婦関係が破綻して修復が不可能な状態のことで、主に次のようなケースが重大な事由とされています。

長期間の別居生活

単身赴任を除いて長期に渡って別居をしている場合は、離婚が認められます。別居の理由によって判断基準となる別居期間の長さは異なりますが、4~5年の別居期間があると結婚生活が破綻しているとみなされることが多いようです。

家庭内別居の場合は、会話がない、寝室は別々、食事も一緒にしないといった状態が該当します。

DV・モラハラ

DV(ドメスティックバイオレンスの略)は身体的な暴力のことで、モラハラ(モラルハラスメントの略)は精神的虐待を意味します。どちらも暴力の程度や期間などを考慮して判断されます。

夫婦げんかの延長程度ではDVやモラハラとは認められません。

モラハラの場合は、「一晩中、暴言を吐かれたり傷つくことを言われ、それがほぼ毎晩繰り返される」というように長期に渡っており、そのために愛情が失せて夫婦関係を継続できないという状態であれば離婚理由とみなされます。子供に対するDV・モラハラも離婚理由として認められる場合があります。

ただし、モラハラをするほうは外面的には温厚で、周囲からは「いい旦那様(奥様)ですね」などと言われるタイプが多いこともあり、モラハラを受けていることが確認できる証拠を提示しなければなりません。

セックスレス

夫婦が円満な結婚生活を送るうえで継続的に性交渉を持つことは大事な要素であるという考えから、正当な理由なく性交渉を拒否してセックスレスの状態になり、結婚生活に破綻をきたした場合は、重大な離婚理由と認められる可能性があります。

性的異常・性交不能

性的異常とは、相手が嫌がる行為を強要したり、猥褻な動画を無理やり見せたりすることを指し、結婚生活を継続し難い理由と認められる場合があります。

一方の性交不能は、加齢や病気などの理由がなく、身体的・精神的な要因によって性交渉ができない状態をいいます。

結婚する前から性交不能であることがわかっていて、その事実を伝えずに結婚した場合は重大な理由と認められる可能性が高くなります。

親族との不和

たとえば妻が夫の親族と不仲になり、それが原因で妻が離婚請求をした場合、夫が親族の味方をして不仲を解消する努力を一切しなかったという場合は、重大な理由と認められる可能性があります。

よくある例として嫁姑の問題があります。妻が姑から日常的に暴言を浴びせられているのにマザコン夫が姑の味方ばかりする、あるいは見て見ぬふりをするなど、問題解決を図ろうとしないため、夫婦関係を継続し難い状況になったという場合は離婚理由として認められることがあります。

過度の宗教活動

宗教の自由は憲法で保障されていることなので、夫が無宗教で妻が熱心な信者だから、あるいは夫婦の宗教が違うからといった理由で離婚請求しても、その宗教にもう少し寛容になれば夫婦関係は修復できる可能性があるとして離婚の理由とはまず認められません。

しかし、一方が集会や伝道活動のためほぼ連日家を空けるほどのめり込んでしまい、仕事や家事育児に支障をきたす状態になった場合は、離婚理由として認められる場合があります。

子供に自分の宗教を押し付けたり、子供が希望することに宗教上の理由で反対したりすることも、離婚理由と認められた実例があります。

犯罪行為で服役中

罪を犯して収監されている配偶者と離婚したい場合は、出所する日が近ければ出所後に離婚協議を行います。服役期間が長期に及ぶため出所まで待てないという場合は、離婚裁判の手続きを行うことになります。

訴状を提起する際の離婚理由では、配偶者の犯罪行為によって夫婦関係が破綻し、修復不可能であること、父親であれば子育てにも影響があることなどを主張します。

犯罪の事実だけでなく、日常的に夫から暴力を受けていたとか、転職を繰り返してばかりで生活が安定しなかった、まじめに働こうとしないのでお金に困っていたなど、これまで抱えてきた夫婦間の問題も理由として訴えると離婚が認められやすくなります。

性格の不一致などを理由に裁判で離婚を認めてもらうには

性格の不一致などを理由に裁判で離婚を認めてもらうには

冒頭で紹介したように離婚理由のトップは性格が合わない、いわゆる性格の不一致で、男女合わせると約30,000件に達します。

その多くは離婚協議の段階で合意に達したものとみられます。

もし、一方が協議で合意しなければ調停、裁判へと進んで行くことになりますが、法定離婚事由に「性格の不一致」は含まれていません。

ということは、相手の合意が得られない限り、性格の不一致という理由では離婚できないことになります。

「神経質すぎて疲れる」「価値観が違いすぎてけんかばかりしている」と言った理由だけでは裁判で離婚が認められる確率は非常に低くなるのです。

しかし、時代と共に裁判所の考えも変わってきています。裁判所では現在、離婚について「破綻主義」という考えを採用しています。

破綻主義とは、すでに夫婦関係が破綻しているときは離婚を認める、という考えです。

たとえば、かなり前から性格の不一致で夫婦関係が破綻してしまい、それが理由で夫が他の女性と不倫をするようになり、妻とは離婚状態にあるというときは、それ以上、形だけの婚姻関係を継続させることに意義はないとして離婚を認めることが多くなっています。

このように、性格の不一致という理由だけでは裁判離婚は難しくても、夫婦としての実態がない他人同士のような状態にある場合は、裁判でも離婚を認めてもらうことが可能であることを理解しておくといいでしょう。

離婚トラブルを早く解決するために弁護士に相談を

離婚トラブルを早く解決するために弁護士に相談を

配偶者と協議によって離婚することに合意すれば、戸籍法で定められた離婚届を提出するだけで離婚は成立します。しかし、「離婚はしたくない」と頑なに離婚を拒否する配偶者もいます。

話し合いでは結論が出ない場合は、法的手続きを取ることになりますが、裁判まで進んでしまうと短くても半年、長くなると2年以上の期間を要します。

それに、離婚の理由が相手の不貞行為やDV・モラハラなどの場合は、相手側が否定したり言い逃れをしたりするのを防ぐために、そうした行為を裏付ける証拠を提示しなければなりません。

証拠を集めて、調停の申し立てをしてとなると、準備をするだけで相当な時間と労力を要します。

そうした負担を軽減して、できるだけ早く離婚を成立させたいと望むのであれば、離婚に強い弁護士に相談するのが一番です。

協議の段階で弁護士に依頼した事例の中には、依頼後1か月で離婚が成立したというケースも。相手とこれから話し合いをするというタイミングで弁護士に依頼すれば、協議をスムーズに進めるために代理交渉をしてもらえます。

ただ、DVやモラハラをする人の中には弁護士が根気よく交渉しても断固として合意しないケースも。

そのような場合でも、弁護士が適切な時期を見て調停の申し立てや必要な手続きをしてくれるので安心です。

離婚トラブルで悩んでいる方は、まず弁護士への相談から始めることをおすすめします。どのような弁護士に依頼ればよいかわからないという方は、「NPO法人よつば」の無料相談を利用するとよいでしょう。

「NPO法人よつば」では、専門のカウンセラーが悩みを聞いてアドバイスをしたり、離婚に強い信頼できる弁護士の紹介も行っています。

まとめ

まとめ

離婚理由で多いのが配偶者の不貞行為です。当人は否定したり言い逃れをしがちですが、写真やメールなど証拠となるものを示せば当人も認めざるを得ません。

しかし、証拠集めは想像以上に難しい作業です。プロの探偵や弁護士に依頼する方法もありますが、中には詐欺まがいの悪質な探偵や弁護士もいます。

離婚は新しい生活に踏み出すスタートラインでもあります。そこでつまずくことのないよう慎重に準備を進めるようにしましょう。

上記の「NPO法人よつば」では、長年の信頼と豊富な実績のある法律事務所・弁護士の紹介を行っています。電話やお問い合わせフォームからの相談は無料です。事務所まで足を運べる方は、直接対面による相談も可能です。

離婚を決意したもののどのように進めればよいかわからないという方は、NPO法人よつばの無料相談を気軽にご利用ください。

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離婚が普通になりつつある昨今、夫婦が別れる理由をランキングで紹介しています。
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簡単には別れられない?離婚が認められる理由を解説

離婚理由のランキングや法律のプロ(弁護士)を利用する必要性を紹介

離婚は結婚の数倍も大変といいます。二人の話し合いで合意できれば理由らしい理由がなくても離婚は成立するのですが、一方が離婚を拒否すれば簡単には別れることができません。

家庭裁判所で離婚裁判を行うことになると、まず離婚の理由を明確にしなければなりません。理由によっては離婚が認められないこともあります。

そこで今回は、離婚裁判において離婚が認められる理由「法定離婚事由」についてわかりやすく解説しています。

ひとりで離婚の悩みを抱えている方も、法律上の離婚理由や考え方を理解することで、より前向きな気持ちになれることでしょう。

目次

二人が合意できれば理由はいらない

二人が合意できれば理由はいらない

メディアではよく「3組に1組が離婚する」といわれています。年間当たりの離婚件数を婚姻件数から割り出した離婚率が32%前後で、それが20 年近く続いたことから3組に1組といわれるようになりました。

最近は特に熟年離婚が増加しています。では、どのような理由で離婚に至るのでしょうか?

下表は、家庭裁判所が公表している司法統計を基に作成した離婚理由トップ5です。このランキングを見ると男女とも理由の1位が「性格が合わない」となっています。

【離婚理由ランキングトップ5】

順位 男性(件数) 女性(件数)
1位 性格が合わない(11,030) 性格が合わない(18,846)
2位 精神的に虐待する(3,626) 生活費を渡さない(13,820)
3位 その他(3,545) 精神的に虐待する(12,093)
4位 異性関係(2,547 ) 暴力を振るう(10,311)
5位 家族親族と折り合いが悪い(2,463) 異性関係(7,987)
参考:裁判所 平成29年度 司法統計第19表 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所

法律では「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる」と定められています(民法第763条)。二人で話し合って離婚することに合意すれば理由は特に必要ありません。これを協議離婚と言います。

離婚裁判では法で定められた理由が必要

離婚裁判では法で定められた理由が必要

二人で話し合っても、一方が離婚を拒否して離婚届に署名捺印しなければ協議離婚は成立しません。話し合いでは無理なら家庭裁判所に調停の申し立てを行うことになります。

調停でも財産分与や子供の親権など離婚の条件を提示して話し合いますが、2名の調停委員を介して話し合うことになるので、二人が直接顔を合わせることはありません。

調停委員には結論を出す決定権はないため、話し合いの結果、合意に至らない場合は、最後の手段として離婚裁判を検討することになります。

調停でも離婚の理由についてはとくに規定はありませんが、裁判となると法律で定められた離婚理由(法定離婚事由)に該当していることが必要になります。

離婚理由のいずれかにあてはまれば、相手の合意を得る必要がなくなります。

相手が「絶対離婚はしない」と強硬に拒否しても離婚が認められ、理由によっては慰謝料を請求することも可能になります。

裁判で離婚が認められる5つの法定事由

裁判で離婚が認められる5つの法定事由

法律で定められている離婚事由は5つあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

必要な理由1.配偶者に不貞行為があったとき

婚姻関係にある二人には配偶者以外の異性と性交渉をしないという貞操義務があり、それに反する浮気や不倫を不貞行為と言います。

不貞行為のために婚姻関係が破綻していることが前提で、破綻するまでに至らない場合は離婚請求が認められないことも。

理由を述べるだけでなく、裁判所が不貞行為があったことを確認できる証拠を提示する必要があります。

不貞行為が明らかな場合は、慰謝料を請求することも可能です。

必要な理由2.配偶者から悪意で遺棄されたとき

夫婦には共に暮らし、協力して扶助しなければならないという「同居・協力・扶助義務」も課せられています。その義務を一方的に果たさないことを「悪意の遺棄」といいます。

具体的には、理由もなく自分勝手に別居する、分担すべき家事を一切しない、浪費癖や借金癖でお金がなくて生活費を入れないなど、家庭を顧みない行為を指します。

必要な理由3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

最後に連絡を取り合ってから3年以上、生死がわからない状態が続いている場合は、裁判で結論を出すことになります。

本来は離婚協議、離婚調停を経て離婚裁判に進むのですが、話し合うことは不可能なので最初から離婚裁判を起こすことが認められています。

相手が生存している可能性はあるが、確認のしようがなく、これ以上我慢して待つ必要なしと裁判官に判断してもらうことが大切で、そのためには警察への捜索願いや配偶者の親兄弟からの陳述書などを提出する必要があります。

必要な理由4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

強度の精神病とは、夫婦の義務である「協力・扶助」が果たせないほど重い精神疾患にかかり、回復も難しい状態を指します。

具体的な病名としては統合失調症や躁うつ病などが挙げられますが、回復の見込みがあるかどうかは専門医の鑑定が必要になります。

なお、精神病を理由に離婚を認めることに裁判官は極めて慎重です。

精神病は本人の責任だけではありませんし、夫婦には扶助義務があります。裁判官は離婚後に病気を抱えて安定した生活環境を維持できるかどうかも判断する必要があるからです。

必要な理由5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

「婚姻を継続し難い」とは、夫婦関係が破綻して修復が不可能な状態のことで、主に次のようなケースが重大な事由とされています。

長期間の別居生活

単身赴任を除いて長期に渡って別居をしている場合は、離婚が認められます。別居の理由によって判断基準となる別居期間の長さは異なりますが、4~5年の別居期間があると結婚生活が破綻しているとみなされることが多いようです。

家庭内別居の場合は、会話がない、寝室は別々、食事も一緒にしないといった状態が該当します。

DV・モラハラ

DV(ドメスティックバイオレンスの略)は身体的な暴力のことで、モラハラ(モラルハラスメントの略)は精神的虐待を意味します。どちらも暴力の程度や期間などを考慮して判断されます。

夫婦げんかの延長程度ではDVやモラハラとは認められません。

モラハラの場合は、「一晩中、暴言を吐かれたり傷つくことを言われ、それがほぼ毎晩繰り返される」というように長期に渡っており、そのために愛情が失せて夫婦関係を継続できないという状態であれば離婚理由とみなされます。子供に対するDV・モラハラも離婚理由として認められる場合があります。

ただし、モラハラをするほうは外面的には温厚で、周囲からは「いい旦那様(奥様)ですね」などと言われるタイプが多いこともあり、モラハラを受けていることが確認できる証拠を提示しなければなりません。

セックスレス

夫婦が円満な結婚生活を送るうえで継続的に性交渉を持つことは大事な要素であるという考えから、正当な理由なく性交渉を拒否してセックスレスの状態になり、結婚生活に破綻をきたした場合は、重大な離婚理由と認められる可能性があります。

性的異常・性交不能

性的異常とは、相手が嫌がる行為を強要したり、猥褻な動画を無理やり見せたりすることを指し、結婚生活を継続し難い理由と認められる場合があります。

一方の性交不能は、加齢や病気などの理由がなく、身体的・精神的な要因によって性交渉ができない状態をいいます。

結婚する前から性交不能であることがわかっていて、その事実を伝えずに結婚した場合は重大な理由と認められる可能性が高くなります。

親族との不和

たとえば妻が夫の親族と不仲になり、それが原因で妻が離婚請求をした場合、夫が親族の味方をして不仲を解消する努力を一切しなかったという場合は、重大な理由と認められる可能性があります。

よくある例として嫁姑の問題があります。妻が姑から日常的に暴言を浴びせられているのにマザコン夫が姑の味方ばかりする、あるいは見て見ぬふりをするなど、問題解決を図ろうとしないため、夫婦関係を継続し難い状況になったという場合は離婚理由として認められることがあります。

過度の宗教活動

宗教の自由は憲法で保障されていることなので、夫が無宗教で妻が熱心な信者だから、あるいは夫婦の宗教が違うからといった理由で離婚請求しても、その宗教にもう少し寛容になれば夫婦関係は修復できる可能性があるとして離婚の理由とはまず認められません。

しかし、一方が集会や伝道活動のためほぼ連日家を空けるほどのめり込んでしまい、仕事や家事育児に支障をきたす状態になった場合は、離婚理由として認められる場合があります。

子供に自分の宗教を押し付けたり、子供が希望することに宗教上の理由で反対したりすることも、離婚理由と認められた実例があります。

犯罪行為で服役中

罪を犯して収監されている配偶者と離婚したい場合は、出所する日が近ければ出所後に離婚協議を行います。服役期間が長期に及ぶため出所まで待てないという場合は、離婚裁判の手続きを行うことになります。

訴状を提起する際の離婚理由では、配偶者の犯罪行為によって夫婦関係が破綻し、修復不可能であること、父親であれば子育てにも影響があることなどを主張します。

犯罪の事実だけでなく、日常的に夫から暴力を受けていたとか、転職を繰り返してばかりで生活が安定しなかった、まじめに働こうとしないのでお金に困っていたなど、これまで抱えてきた夫婦間の問題も理由として訴えると離婚が認められやすくなります。

性格の不一致などを理由に裁判で離婚を認めてもらうには

性格の不一致などを理由に裁判で離婚を認めてもらうには

冒頭で紹介したように離婚理由のトップは性格が合わない、いわゆる性格の不一致で、男女合わせると約30,000件に達します。

その多くは離婚協議の段階で合意に達したものとみられます。

もし、一方が協議で合意しなければ調停、裁判へと進んで行くことになりますが、法定離婚事由に「性格の不一致」は含まれていません。

ということは、相手の合意が得られない限り、性格の不一致という理由では離婚できないことになります。

「神経質すぎて疲れる」「価値観が違いすぎてけんかばかりしている」と言った理由だけでは裁判で離婚が認められる確率は非常に低くなるのです。

しかし、時代と共に裁判所の考えも変わってきています。裁判所では現在、離婚について「破綻主義」という考えを採用しています。

破綻主義とは、すでに夫婦関係が破綻しているときは離婚を認める、という考えです。

たとえば、かなり前から性格の不一致で夫婦関係が破綻してしまい、それが理由で夫が他の女性と不倫をするようになり、妻とは離婚状態にあるというときは、それ以上、形だけの婚姻関係を継続させることに意義はないとして離婚を認めることが多くなっています。

このように、性格の不一致という理由だけでは裁判離婚は難しくても、夫婦としての実態がない他人同士のような状態にある場合は、裁判でも離婚を認めてもらうことが可能であることを理解しておくといいでしょう。

離婚トラブルを早く解決するために弁護士に相談を

離婚トラブルを早く解決するために弁護士に相談を

配偶者と協議によって離婚することに合意すれば、戸籍法で定められた離婚届を提出するだけで離婚は成立します。しかし、「離婚はしたくない」と頑なに離婚を拒否する配偶者もいます。

話し合いでは結論が出ない場合は、法的手続きを取ることになりますが、裁判まで進んでしまうと短くても半年、長くなると2年以上の期間を要します。

それに、離婚の理由が相手の不貞行為やDV・モラハラなどの場合は、相手側が否定したり言い逃れをしたりするのを防ぐために、そうした行為を裏付ける証拠を提示しなければなりません。

証拠を集めて、調停の申し立てをしてとなると、準備をするだけで相当な時間と労力を要します。

そうした負担を軽減して、できるだけ早く離婚を成立させたいと望むのであれば、離婚に強い弁護士に相談するのが一番です。

協議の段階で弁護士に依頼した事例の中には、依頼後1か月で離婚が成立したというケースも。相手とこれから話し合いをするというタイミングで弁護士に依頼すれば、協議をスムーズに進めるために代理交渉をしてもらえます。

ただ、DVやモラハラをする人の中には弁護士が根気よく交渉しても断固として合意しないケースも。

そのような場合でも、弁護士が適切な時期を見て調停の申し立てや必要な手続きをしてくれるので安心です。

離婚トラブルで悩んでいる方は、まず弁護士への相談から始めることをおすすめします。どのような弁護士に依頼ればよいかわからないという方は、「NPO法人よつば」の無料相談を利用するとよいでしょう。

「NPO法人よつば」では、専門のカウンセラーが悩みを聞いてアドバイスをしたり、離婚に強い信頼できる弁護士の紹介も行っています。

まとめ

まとめ

離婚理由で多いのが配偶者の不貞行為です。当人は否定したり言い逃れをしがちですが、写真やメールなど証拠となるものを示せば当人も認めざるを得ません。

しかし、証拠集めは想像以上に難しい作業です。プロの探偵や弁護士に依頼する方法もありますが、中には詐欺まがいの悪質な探偵や弁護士もいます。

離婚は新しい生活に踏み出すスタートラインでもあります。そこでつまずくことのないよう慎重に準備を進めるようにしましょう。

上記の「NPO法人よつば」では、長年の信頼と豊富な実績のある法律事務所・弁護士の紹介を行っています。電話やお問い合わせフォームからの相談は無料です。事務所まで足を運べる方は、直接対面による相談も可能です。

離婚を決意したもののどのように進めればよいかわからないという方は、NPO法人よつばの無料相談を気軽にご利用ください。

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