1. 離婚して父親が親権を得るため知っておきたいことや調停の交渉ポイントとは
離婚して父親が親権を得るため知っておきたいことや調停の交渉ポイントとは
離婚して父親が親権を得るため知っておきたいことや調停の交渉ポイントとは

離婚後に父親が親権を得るのはどのようなケース?

子どもがいる夫婦が離婚した場合、母親が親権を持つことが多いのは事実です。

しかし最近では男性も育児休暇を申請して子育てするケースが増えているため、離婚後は自分が子どもの親権を持ちたいと考える父親も少なくありません。

この記事では、離婚した際父親が親権を得たい場合に知っておくべきことや、親権者の決め方や条件、調停での交渉のポイントをくわしく解説します。

目次

離婚で父親が親権を得ることは難しい?

離婚で父親が親権を得ることは難しい?

子どもの親権は母親が得る、というイメージをお持ちの方は多いでしょう。

実際子どもがいる夫婦が離婚する場合、母親が親権を得るケースが多いです。

令和3年の司法統計年報をみても 、約2万件の離婚調停のうち父親が親権を得るのは約1,800件と1割程度しかありません。

この事実からも、離婚した場合に父親が親権を得ることは難しいといえます。

子どもに会えなくなるのが嫌で離婚を踏みとどまるケースも少なくありません。ではなぜ母親が親権を持つことが多いのでしょうか。

参考:令和3年 司法統計年報 第23表 「離婚」の調停成立又は調停に代わる審判事件のうち「子の親権者の定め」をすべき件数 親権者別 全家庭裁判所|裁判所

離婚後に母親が親権を持つことが多い理由

離婚後に母親が親権を持つことが多い理由

離婚後に母親が親権を持つことが多いのは、次のような理由からだとされています。

母性優先の原則

家庭裁判所が子どもの親権者を決める場合の判断要素のひとつに「母性優先の原則」というものがあります。

これはとくに乳幼児期の子どもにとって、母親の存在が必要不可欠なものであるため親権は母親が持つことが望ましいという考え方です。

厳密には「母性」は母親という意味ではなく「母性を強く有する者」を指しますが、こと日本においては「母性=母親」という認識になっています。

そのため一般的に子どもが10歳前後以下であれば、父親ではなく母親が親権者となる可能性が高くなります。

父親は仕事と育児の両立が難しい

多くの父親はフルタイムで仕事をしており帰りが遅くなることも多いため、育児と両立させるのは難しいだろうと考えられてしまうことも父親が親権者に選ばれない理由のひとつです。

例えば保育施設などは送り迎えの時間が決まっていますから、毎日定時で上がれる仕事なら問題ありませんが、実際は難しいでしょう。

また子どもの身の回りの世話を普段から単独で行っていない父親の場合、育児実績が乏しいと判断される可能性が高くなります。

子どもが母親を選ぶ

子どもの親権者が母親に決まる理由として「子どもが母親と暮らすことを選ぶ」ということもあります。

ある程度の年齢の子どもは「夫婦が離婚したらどちらと暮らしたいか」が決まっていることが多く、その意見が親権者を決定する際に考慮されるためです。

子どもからすると、父親は仕事が休みの日に家にいるイメージがあり、普段から長い時間を過ごす母親の方に愛着が強くなる傾向があります。

ただケースによっては父親の方が親権者にふさわしいと判断される可能性がありますので諦める必要はありません。

母親が親権者となる先例が多いため

母親が親権者となる先例が多いことも、父親が親権を争うのに不利だとされる理由といえます。

父親は外で仕事、母親が家で家事と育児をするという家族の形が明治民法以降確立されているため親権を父親が持つという先例はあまり多くなく、その影響で父親が親権を持つことが難しくなっているのです。

これは裁判所が先例を重視して判断する傾向があるためです。

子どもの親権者の決め方

子どもの親権者の決め方

子どもの親権者はどのように決められるのでしょうか。

基本的に、子どもの親権者の決め方は離婚と同じ流れです。

夫婦間の話し合い(協議)で合意すれば、そこで親権者が決まりますが、どちらも親権を譲りたくない場合には調停、裁判へと移行することになります。

ここではこの流れに沿って親権者の決め方をくわしく解説します。

①協議

まず最初は夫婦の話し合いによる解決を目指します。

親権をどちらが持つのか、養育費はどのように支払うのか(一時払いか月払いか)、子どもとの面会はどのように行うのかなどは後からトラブルになる恐れがあるため、明確に決めておくことが大切です。

その内容は離婚協議書にまとめ、公正証書にしておくと良いでしょう。

公正証書とは公証役場で公証人が作成する公文書のことで、何かトラブルがあった場合には内容を証明する証拠として使えます。

②調停

夫婦間の話し合いで合意に至らなかった場合、離婚調停に移行します。

この離婚調停は「夫婦関係調整調停」と呼ばれるもののひとつです。

夫婦関係調整調停には離婚と離婚に伴う事柄(子どもの親権など)について話し合う「離婚」と円満な夫婦関係を取り戻すための話し合いの場となる「円満」の2種類があります。

子どもの親権について話し合う離婚調停は、調停委員が父親と母親それぞれの主張をまとめた上で必要に応じて調査官調査を行い、子どもの幸せのために適切な親権者を選択して双方が納得のいく解決方法を提案してくれるものです。

ここで父親と母親の意見が合意に至れば調停は成立です。

③裁判

離婚調停で意見がまとまらない場合、またはどちらかが調停に出席しない場合には離婚裁判に移行し、子どもの親権者もそこで争われることになります。

裁判では子どもの利益を最優先に考慮し、調停の際行った調査結果などを参考にしてどもがより幸せに成長できる方を親権者と定めます。

離婚裁判では調停の段階で得た事実や調査結果をもとに親権者を決めるため、父親が親権を得るには調停の準備を万全にすることがとくに重要です。

調停での交渉で父親が有利になるケース

調停での交渉で父親が有利になるケース

父親が親権を争う離婚調停の交渉において、有利になるケースには次のようなことが挙げられます。

母親が育児放棄をしている場合

母親が育児放棄をしている場合、親権者にふさわしくないと判断され、父親が親権を得る可能性が高いです。

育児放棄の具体例として次のようなことが挙げられます。

育児放棄の具体例

  • 子どもに食事を与えない
  • 子どもを着替えさせないなど不潔な状態にしている
  • 子どもに話しかけられても無視して会話しない
  • 子どもを家などに置き去りにして外出してしまう
  • 子どもが病気になっても看病せず病院にも連れて行かない

このような育児放棄がある場合は、写真や動画などで証拠を残しておくことをすすめしまします。

母親が子どもを虐待している場合

母親が子どもを虐待している場合も父親が親権者となる可能性が高いです。

子どもにケガやアザなど虐待の痕が見られる場合には、証拠を残すために写真を撮っておくようにしましょう。医師の診断書をもらうことも大切です。

母親が虐待をしている場合には、親権者としてふさわしいとはいえませんから父親が親権を得られる可能性が高くなります。

子どもが父親との生活を望んだ場合

子どもが父親との生活を望んだ場合、父親が親権を得る可能性は高いです。

とくに子どもが15歳以上であれば、離婚調停や裁判の際に子どもの意見を尊重しなければならないとされています。

子どもが15歳未満であっても、意思能力があるとみなされる10歳前後の子どもの意思はある程度考慮されるでしょう。

母親が親権を望まない場合

母親が親権を望まない場合、父親が親権を得る可能性が高いです。

結婚している間の子どもの親権は両親にあります(共同親権)が、離婚する場合には親権をどちらが持つか話し合うことになります。これが協議離婚です。

その際母親が親権を望まなければ自動的に父親が親権を獲得し、子どもの養育を任されることになります。

父親が親権を獲得した場合の養育費について

父親が親権を獲得した場合の養育費について

父親が親権を獲得した場合、母親から養育費を受け取れるのかどうか気になる方も多いでしょう。

子どもの養育義務は両親にあり、それは離婚しても変わりはありません。

そのため父親が親権を獲得した場合は、母親に養育費を請求できます。

ただ養育費は収入状況により異なりますから、母親の収入がそれほど多くなければ受け取れる養育費もそれほど高額になることはないでしょう。

離婚時に父親が親権を勝ち取るための交渉のポイント

離婚時に父親が親権を勝ち取るための交渉のポイント

離婚時に父親が親権を勝ち取るためには、調停でどのように交渉するかが大切なポイントになります。

これは離婚調停で合意に至らず裁判まで発展した場合、調停の段階で集められた証拠や情報をもとにどちらを親権者にするかが決まるためです。

ここでは父親が親権者になるための交渉のポイントについて解説します。

養育実績を証明すること

離婚後の子どもの親権者にふさわしいと判断されるためには、これまでの養育実績を証明することが大切です。

養育実績とは子どもの食事や洗濯、掃除などの身の回りの世話、仕事が休みの時の子どもとの過ごし方、学校行事への参加などのことで、これらの実績を証明できれば、離婚後も変わらず養育が行えると判断されやすくなります。

子どもの養育実績は写真や動画、日記などで証拠を集めておきましょう。

子どもの養育環境(時間、監護保護者)が整っていること

離婚後も子どもを養育できる環境が整っていることを証明できれば、父親が親権を得る可能性が高まります。

親権者にふさわしいと判断されるには、離婚後の子どもの養育について仕事の調整が可能である、またサポートしてくれる家族や親族(看護保護者)がいるなど環境が整っていることを交渉の場でアピールしましょう。

離婚後も子どもを取り巻く環境が変わらないこと

離婚後も子どもを取り巻く環境が変わらないことを主張することで、現状維持の原則により父親が親権を得られる可能性が高まります。

現状維持の原則とは「子どもの精神的、経済的な安定のためには離婚後も安定した環境を維持すべき」という考えのことで、親権者を決める際に重視される条件のひとつです。

離婚しても転居の必要がない、経済的な負担が少ないといったメリットを主張しましょう。

養育に問題ない健康状態であること

子どもの養育には体力が必要ですから、親権者になるには心身ともに健康であることが大切になります。

仕事と毎日の子育てを両立するには相当な体力が必要です。

とくに父親が高齢の場合には健康面で不安視される恐れがあるため、健康に問題がないという医師の診断書を準備しておくと良いかも知れません。

記事まとめ

記事まとめ

父親が親権者となる確率が1割しかない現状においては、離婚調停のための準備が大変重要です。

母親有利といわれる中、子どもと一緒にいられなくなるかも知れないという不安にかられることもあるでしょう。

そんな時には無料相談所を利用するのもひとつの方法です。

NPO法人よつばはどなたでもご利用頂ける無料相談所で、専門カウンセラーが常駐しているため、調停前の不安な気持ちや質問に丁寧にお答えします。

不安な気持ちを打ち明けるだけでも随分気持ちが軽くなるものです。

ぜひお気軽にNPO法人よつばにご相談ください。

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この記事では、離婚した際父親が親権を得たい場合に知っておくべきことや、親権者の決め方や条件、調停での交渉のポイントをくわしく解説します。
離婚して父親が親権を得るため知っておきたいことや調停の交渉ポイントとは
離婚して父親が親権を得るため知っておきたいことや調停の交渉ポイントとは

離婚後に父親が親権を得るのはどのようなケース?

子どもがいる夫婦が離婚した場合、母親が親権を持つことが多いのは事実です。

しかし最近では男性も育児休暇を申請して子育てするケースが増えているため、離婚後は自分が子どもの親権を持ちたいと考える父親も少なくありません。

この記事では、離婚した際父親が親権を得たい場合に知っておくべきことや、親権者の決め方や条件、調停での交渉のポイントをくわしく解説します。

目次

離婚で父親が親権を得ることは難しい?

離婚で父親が親権を得ることは難しい?

子どもの親権は母親が得る、というイメージをお持ちの方は多いでしょう。

実際子どもがいる夫婦が離婚する場合、母親が親権を得るケースが多いです。

令和3年の司法統計年報をみても 、約2万件の離婚調停のうち父親が親権を得るのは約1,800件と1割程度しかありません。

この事実からも、離婚した場合に父親が親権を得ることは難しいといえます。

子どもに会えなくなるのが嫌で離婚を踏みとどまるケースも少なくありません。ではなぜ母親が親権を持つことが多いのでしょうか。

参考:令和3年 司法統計年報 第23表 「離婚」の調停成立又は調停に代わる審判事件のうち「子の親権者の定め」をすべき件数 親権者別 全家庭裁判所|裁判所

離婚後に母親が親権を持つことが多い理由

離婚後に母親が親権を持つことが多い理由

離婚後に母親が親権を持つことが多いのは、次のような理由からだとされています。

母性優先の原則

家庭裁判所が子どもの親権者を決める場合の判断要素のひとつに「母性優先の原則」というものがあります。

これはとくに乳幼児期の子どもにとって、母親の存在が必要不可欠なものであるため親権は母親が持つことが望ましいという考え方です。

厳密には「母性」は母親という意味ではなく「母性を強く有する者」を指しますが、こと日本においては「母性=母親」という認識になっています。

そのため一般的に子どもが10歳前後以下であれば、父親ではなく母親が親権者となる可能性が高くなります。

父親は仕事と育児の両立が難しい

多くの父親はフルタイムで仕事をしており帰りが遅くなることも多いため、育児と両立させるのは難しいだろうと考えられてしまうことも父親が親権者に選ばれない理由のひとつです。

例えば保育施設などは送り迎えの時間が決まっていますから、毎日定時で上がれる仕事なら問題ありませんが、実際は難しいでしょう。

また子どもの身の回りの世話を普段から単独で行っていない父親の場合、育児実績が乏しいと判断される可能性が高くなります。

子どもが母親を選ぶ

子どもの親権者が母親に決まる理由として「子どもが母親と暮らすことを選ぶ」ということもあります。

ある程度の年齢の子どもは「夫婦が離婚したらどちらと暮らしたいか」が決まっていることが多く、その意見が親権者を決定する際に考慮されるためです。

子どもからすると、父親は仕事が休みの日に家にいるイメージがあり、普段から長い時間を過ごす母親の方に愛着が強くなる傾向があります。

ただケースによっては父親の方が親権者にふさわしいと判断される可能性がありますので諦める必要はありません。

母親が親権者となる先例が多いため

母親が親権者となる先例が多いことも、父親が親権を争うのに不利だとされる理由といえます。

父親は外で仕事、母親が家で家事と育児をするという家族の形が明治民法以降確立されているため親権を父親が持つという先例はあまり多くなく、その影響で父親が親権を持つことが難しくなっているのです。

これは裁判所が先例を重視して判断する傾向があるためです。

子どもの親権者の決め方

子どもの親権者の決め方

子どもの親権者はどのように決められるのでしょうか。

基本的に、子どもの親権者の決め方は離婚と同じ流れです。

夫婦間の話し合い(協議)で合意すれば、そこで親権者が決まりますが、どちらも親権を譲りたくない場合には調停、裁判へと移行することになります。

ここではこの流れに沿って親権者の決め方をくわしく解説します。

①協議

まず最初は夫婦の話し合いによる解決を目指します。

親権をどちらが持つのか、養育費はどのように支払うのか(一時払いか月払いか)、子どもとの面会はどのように行うのかなどは後からトラブルになる恐れがあるため、明確に決めておくことが大切です。

その内容は離婚協議書にまとめ、公正証書にしておくと良いでしょう。

公正証書とは公証役場で公証人が作成する公文書のことで、何かトラブルがあった場合には内容を証明する証拠として使えます。

②調停

夫婦間の話し合いで合意に至らなかった場合、離婚調停に移行します。

この離婚調停は「夫婦関係調整調停」と呼ばれるもののひとつです。

夫婦関係調整調停には離婚と離婚に伴う事柄(子どもの親権など)について話し合う「離婚」と円満な夫婦関係を取り戻すための話し合いの場となる「円満」の2種類があります。

子どもの親権について話し合う離婚調停は、調停委員が父親と母親それぞれの主張をまとめた上で必要に応じて調査官調査を行い、子どもの幸せのために適切な親権者を選択して双方が納得のいく解決方法を提案してくれるものです。

ここで父親と母親の意見が合意に至れば調停は成立です。

③裁判

離婚調停で意見がまとまらない場合、またはどちらかが調停に出席しない場合には離婚裁判に移行し、子どもの親権者もそこで争われることになります。

裁判では子どもの利益を最優先に考慮し、調停の際行った調査結果などを参考にしてどもがより幸せに成長できる方を親権者と定めます。

離婚裁判では調停の段階で得た事実や調査結果をもとに親権者を決めるため、父親が親権を得るには調停の準備を万全にすることがとくに重要です。

調停での交渉で父親が有利になるケース

調停での交渉で父親が有利になるケース

父親が親権を争う離婚調停の交渉において、有利になるケースには次のようなことが挙げられます。

母親が育児放棄をしている場合

母親が育児放棄をしている場合、親権者にふさわしくないと判断され、父親が親権を得る可能性が高いです。

育児放棄の具体例として次のようなことが挙げられます。

育児放棄の具体例

  • 子どもに食事を与えない
  • 子どもを着替えさせないなど不潔な状態にしている
  • 子どもに話しかけられても無視して会話しない
  • 子どもを家などに置き去りにして外出してしまう
  • 子どもが病気になっても看病せず病院にも連れて行かない

このような育児放棄がある場合は、写真や動画などで証拠を残しておくことをすすめしまします。

母親が子どもを虐待している場合

母親が子どもを虐待している場合も父親が親権者となる可能性が高いです。

子どもにケガやアザなど虐待の痕が見られる場合には、証拠を残すために写真を撮っておくようにしましょう。医師の診断書をもらうことも大切です。

母親が虐待をしている場合には、親権者としてふさわしいとはいえませんから父親が親権を得られる可能性が高くなります。

子どもが父親との生活を望んだ場合

子どもが父親との生活を望んだ場合、父親が親権を得る可能性は高いです。

とくに子どもが15歳以上であれば、離婚調停や裁判の際に子どもの意見を尊重しなければならないとされています。

子どもが15歳未満であっても、意思能力があるとみなされる10歳前後の子どもの意思はある程度考慮されるでしょう。

母親が親権を望まない場合

母親が親権を望まない場合、父親が親権を得る可能性が高いです。

結婚している間の子どもの親権は両親にあります(共同親権)が、離婚する場合には親権をどちらが持つか話し合うことになります。これが協議離婚です。

その際母親が親権を望まなければ自動的に父親が親権を獲得し、子どもの養育を任されることになります。

父親が親権を獲得した場合の養育費について

父親が親権を獲得した場合の養育費について

父親が親権を獲得した場合、母親から養育費を受け取れるのかどうか気になる方も多いでしょう。

子どもの養育義務は両親にあり、それは離婚しても変わりはありません。

そのため父親が親権を獲得した場合は、母親に養育費を請求できます。

ただ養育費は収入状況により異なりますから、母親の収入がそれほど多くなければ受け取れる養育費もそれほど高額になることはないでしょう。

離婚時に父親が親権を勝ち取るための交渉のポイント

離婚時に父親が親権を勝ち取るための交渉のポイント

離婚時に父親が親権を勝ち取るためには、調停でどのように交渉するかが大切なポイントになります。

これは離婚調停で合意に至らず裁判まで発展した場合、調停の段階で集められた証拠や情報をもとにどちらを親権者にするかが決まるためです。

ここでは父親が親権者になるための交渉のポイントについて解説します。

養育実績を証明すること

離婚後の子どもの親権者にふさわしいと判断されるためには、これまでの養育実績を証明することが大切です。

養育実績とは子どもの食事や洗濯、掃除などの身の回りの世話、仕事が休みの時の子どもとの過ごし方、学校行事への参加などのことで、これらの実績を証明できれば、離婚後も変わらず養育が行えると判断されやすくなります。

子どもの養育実績は写真や動画、日記などで証拠を集めておきましょう。

子どもの養育環境(時間、監護保護者)が整っていること

離婚後も子どもを養育できる環境が整っていることを証明できれば、父親が親権を得る可能性が高まります。

親権者にふさわしいと判断されるには、離婚後の子どもの養育について仕事の調整が可能である、またサポートしてくれる家族や親族(看護保護者)がいるなど環境が整っていることを交渉の場でアピールしましょう。

離婚後も子どもを取り巻く環境が変わらないこと

離婚後も子どもを取り巻く環境が変わらないことを主張することで、現状維持の原則により父親が親権を得られる可能性が高まります。

現状維持の原則とは「子どもの精神的、経済的な安定のためには離婚後も安定した環境を維持すべき」という考えのことで、親権者を決める際に重視される条件のひとつです。

離婚しても転居の必要がない、経済的な負担が少ないといったメリットを主張しましょう。

養育に問題ない健康状態であること

子どもの養育には体力が必要ですから、親権者になるには心身ともに健康であることが大切になります。

仕事と毎日の子育てを両立するには相当な体力が必要です。

とくに父親が高齢の場合には健康面で不安視される恐れがあるため、健康に問題がないという医師の診断書を準備しておくと良いかも知れません。

記事まとめ

記事まとめ

父親が親権者となる確率が1割しかない現状においては、離婚調停のための準備が大変重要です。

母親有利といわれる中、子どもと一緒にいられなくなるかも知れないという不安にかられることもあるでしょう。

そんな時には無料相談所を利用するのもひとつの方法です。

NPO法人よつばはどなたでもご利用頂ける無料相談所で、専門カウンセラーが常駐しているため、調停前の不安な気持ちや質問に丁寧にお答えします。

不安な気持ちを打ち明けるだけでも随分気持ちが軽くなるものです。

ぜひお気軽にNPO法人よつばにご相談ください。

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