市役所や区役所の無料離婚相談でできることや問題点、メリット・デメリットをくわしく解説
パートナーとの離婚を考えた場合、誰かに相談したいときがあるものです。
ただデリケートな問題だけに誰にでも相談できるものではありませんよね。
離婚問題は法律が関わることも多いですが弁護士に相談するのは費用面が心配、という人も多いでしょう。
そんなときに頼りになるのが市役所や区役所で行っている弁護士による無料離婚相談です。
今回の記事では市役所や区役所の無料離婚相談でできることや問題点、メリット・デメリットをくわしく解説します。
離婚や市役所や区役所の無料離婚相談の利用をお考えの方はぜひ参考にしてください。
市役所や区役所の無料離婚相談でできること・できないこと
市役所や区役所では弁護士に依頼するのが経済的に難しい人への支援として定期的に無料の離婚相談を行っています。
無料での相談が可能であるため人気が高く、電話での予約が必要です。
またこの無料相談は離婚に関連することなら何でも相談できるわけではありません。
ここでは市役所や区役所の無料離婚相談でできることとできないことをくわしく解説します。
できること
市役所や区役所の無料離婚相談は離婚に関することなら何でも質問可能です。
この法律相談では弁護士や弁護士資格を持つ職員が離婚に関するお悩みに一般的な解決方法をアドバイスしてくれます。
離婚相談をする場合の具体的な質問例は次のとおりです。
- 弁護士に依頼すべきかどうか
- 配偶者に慰謝料請求できるかどうか
- 慰謝料請求はいくら位可能か
- 親権を獲得するにはどんな準備が必要か
- モラハラやDVから逃げ出し離婚するにはどうすれば良いか
- 法制度の説明や適切な窓口の案内
- 弁護士費用はいくら位かかるか
できないこと
市役所や区役所の無料離婚相談では次のようなことはできません。
- 弁護士などの依頼先の紹介
- 契約書や答弁書、申請書等の書類作成
- 進行中の裁判についての相談
- 相談中の録音や動画撮影
- 同じ内容で複数回の相談
- 電話や匿名での相談
- 不倫相手との交渉
市役所や区役所の無料離婚相談ではすでに調停や裁判に進んでいる離婚問題に介入することはできません。
答弁書や離婚協議書といった書類の作成のように「作業を伴う相談」はできませんから注意しましょう。
なお市役所や区役所で匿名で離婚相談ができない理由は、同一人物が何度も無料相談を受けることがないようチェックする目的によるものです。
また市役所や区役所の無料離婚相談で対応してもらった弁護士にそのまま依頼することはできません。
親身になって相談に乗ってもらった場合など、その場で依頼してしまいたくなるかもしれませんが後日改めて依頼する必要があります。
逆に離婚相談に乗ってもらったからといってその弁護士事務所に依頼しなければならないということもありませんのでその点は安心といえるでしょう。
市民相談のご利用について｜富山市公式ウェブサイト (toyama.lg.jp)
市役所の離婚相談を利用するメリット・デメリット
市役所や区役所の無料離婚相談はメリットとデメリットがそれぞれあります。
弁護士事務所に相談せずあえて市役所などの無料相談を利用するメリットとはどんなことでしょうか。
ここでは市役所や区役所の無料離婚相談を利用するメリットとデメリットをくわしく解説します。
メリット
市役所や区役所の無料離婚相談を利用するメリットは次のとおりです。
- 弁護士事務所より気軽に離婚問題の相談ができる
- 無料で利用できる
- 法律以外のことも質問できる
1．弁護士事務所より気軽に離婚問題の相談ができる
市役所や区役所の無料離婚相談は弁護士事務所に相談するのと比べて、より気軽に相談できるのがメリットのひとつです。
とくにちょっとした質問をしたい場合やまだ離婚を迷っている段階であれば弁護士事務所に相談するのは躊躇してしまうでしょう。
その点市役所などの無料離婚相談であればそれほど気負わずに利用できます。
2．無料で利用できる
市役所や区役所の無料離婚相談は無料で弁護士（あるいは弁護士資格を持つ職員）に相談できる点が大きなメリットです。
最近では初回無料で相談できる弁護士事務所も増えてきましたが、一般的に弁護士に相談するには30分～1時間あたり5,000円の料金がかかります。
弁護士に相談するのが経済的に難しい人にとって無料の離婚相談は
3．法律以外のことも質問できる
市役所や区役所の無料離婚相談は法律以外のことでも相談が可能です。
例えば離婚後ひとり親になった場合にどんな支援が受けられるのか、また公営住宅に入居したい場合の手続きなど、建物内（場所が違う場合もあり）で疑問が解決するのは大きなメリットでしょう。
弁護士事務所では離婚の法的な質問ができますが、市役所や区役所の無料離婚相談は法律だけでなく生活する上での問題が解決できます。
デメリット
市役所や区役所の無料離婚相談には次のようなデメリットがあります。
- 対応する弁護士を選べない
- 相談できる時間が限られていることが多い
- 相談できる回数に上限がある
1．対応する弁護士を選べない
市役所や区役所の無料離婚相談では対応する弁護士が選べないのがデメリットといえます。
市役所などの無料離婚相談は弁護士が持ち回りで担当することもあって、離婚問題にくわしい弁護士にあたるとは限りません。
弁護士はそれぞれ得意分野を持っていますから離婚問題をあまり扱った経験がない弁護士が対応した場合、期待はずれになる可能性があります。
2．相談できる時間が限られていることが多い
多くの市役所や区役所の無料離婚相談は基本的に役所の営業時間内に行われるため、平日の昼間に時間がとれないと相談が難しいのがデメリットです。
また予約が必要なため、たまたま空いている日に相談ができるというわけでもありません。
地域によっては休日の法律相談を受けつけているところがあるので、くわしくはお住いの地域の役所にご確認ください。
3．相談できる回数に上限がある
市役所や区役所の無料離婚相談では相談できる回数に上限があるのがデメリットです。
この上限回数は地域により異なり、同じ内容の相談ができない役所もあれば3回まで相談が可能なところもあります。
無料離婚相談などの法律相談は大変人気があり、また対応できる弁護士が少ないため多くの役所では年に1回しか相談できません。
くわしくはお住いの地域の役所にご確認ください。
離婚前後の悩み・養育費相談 - 安中市ホームページ (annaka.lg.jp)
どこまで無料で利用できる？
市役所や区役所の無料離婚相談ではどこまで無料で利用できるのでしょうか。
調べてみると市役所などの無料相談は1回20～60分程度となっています。
地域によってかなり違いがあるので、離婚相談をお考えの方は一度お住いの地域の役所にご確認ください。
無料相談前に準備しておくとよいこと
市役所や区役所の無料離婚相談は時間に制限があるので、時間を有効に使うために事前準備しておくことをおすすめします。
制限時間は短いところで20分、長くて60分ですからまったく準備をせずに出かけてしまうとあっという間に時間が過ぎてしまい、質問できずじまいになるかもしれません。
ここでは無料相談の時間を有効に使うために事前に準備しておきたいことをくわしく解説します。
①離婚を考えた理由やこれまでの状況を時系列に整理しておく
離婚を考えるのには何かしら理由があるものです。それについて時系列に整理しておきましょう。
慰謝料がいくら位請求できるのか、親権がとれるのか、といった質問に答えるには、パートナーの浮気やDV、セックスレスなど、離婚の理由が始まった時期やくわしい状況を順序だてて説明する必要があります。
弁護士からの正確な回答を得るには離婚にまつわる状況をできるだけくわしく伝えることが大切です。
②聞きたいことや希望をまとめておく
市役所や区役所の無料離婚相談では時間を有効に使うために聞きたいことや希望することをまとめておくことが大切です。
夫婦の間で離婚の話が進んでいる、同意に至らず調停や裁判に進む可能性がある、子どもがいてどちらも親権を希望している、といった状況によって相談内容はもちろん、弁護士側の回答も大きく変わってきます。
相談時間に制限がなければ話を進めながら質問を考えることも可能ですが、市役所や区役所の無料離婚相談ではそういうわけにはいきません。
短い時間で相談を終えるには事前にしっかり下準備をして臨みましょう。
③質問に優先度をつける
離婚するとなると財産分与や子どもの親権、養育費など質問したいことが山ほど出てくるでしょう。
それでも離婚相談の時間は長くて60分、短いところでは20分程度しかありませんからすべての質問をすることは難しいです。
重要ではない質問をしているうちに離婚相談の時間が終わってしまうことも考えられため、事前に質問したいことを書き出し、どうしても聞いておきたいことをいくつか決めておくことをおすすめします。
市役所などの無料離婚相談がおすすめな方
市役所などの無料相談は次のような方におすすめです。
- 市役所の営業時間である平日の昼間に時間がとれる方
- 気軽に法律に関する質問をしたい方
- 弁護士に離婚問題について相談したい方
- 弁護士事務所に足を運ぶのは抵抗がある方
- 離婚後の生活支援など法律以外にも質問したい方
市役所以外で法律相談ができる公的制度
市役所や区役所以外に離婚相談ができる公的制度として法テラスがあります。
法テラスは法的な問題を抱えながら経済的に弁護士に相談するのが難しい方を支援するために国が設立した法的トラブルの総合案内所です。
ただし法テラスで弁護士による無料の法律相談が受けられるのは一定の収入以下の方ですから気になる方はお住いの地域の法テラスにご相談ください。
なお収入が一定額以下の方の支援には無料相談以外に弁護士費用の立て替えなどもありますので条件に合う方は活用すると良いでしょう。
弁護士事務所に離婚相談するのがおすすめな方
弁護士事務所に相談するのがおすすめなのは次のような方です。
- すでに家庭裁判所で離婚調停などが始まっている方
- 弁護士事務所に質問したいことがたくさんある方
- 制限時間を気にせず質問したい方
- 一日も早く離婚したい方
- 状況次第ではそのまま依頼を考えている方
- 離婚や慰謝料請求で具体的なアドバイスが欲しい方
無料相談所を利用するのがおすすめな方
NPO法人などの無料相談所を利用するのがおすすめなのは次のような方です。
- 1回で相談が終わらなそうな方
- 電話で悩みを相談したい方
- 専門のカウンセラーに相談したい方
- 状況に応じて夫婦でカウンセリングが受けたい方
- 必要に応じて離婚問題に強い弁護士事務所を紹介して欲しい方
- 必要に応じて浮気（不貞行為）の証拠をつかむ探偵を紹介して欲しい方
- 夫婦関係の修復のため、夫婦でカウンセリングを受けたい方
NPO法人よつばはお電話やWEBでのご相談が可能です
市役所や区役所、弁護士事務所などの無料相談では問題が解決しなさそうな方にはだれでも利用が可能なNPO法人よつばの無料相談をおすすめします。
電話での相談は9～20時までと24時間ではないものの、年中無休ですから営業時間内であればいつでも相談可能です。
WEBからでしたら24時間365日いつでもご相談頂けます。電話だと焦ってしまって言いたいことが言えない、という方にはWEBからのご相談をおすすめします。
弁護士事務所や市役所などの無料離婚相談は無料で相談できる回数に制限がありますが、NPO法人よつばはとくに回数の上限を設けておりませんので問題が解決するまで何度か電話などでご相談頂くことが可能です。
また市役所などの無料相談は電話での相談ができず平日の日中に役所まで足を運ばなければなりませんが、NPO法人よつばではお電話やWEBでのご相談も受けつけております。
NPO法人よつばの無料相談はこちら
記事まとめ
今回は市役所や区役所の無料離婚相談について解説しました。
市役所などの無料離婚相談は法律相談以外に離婚後の生活支援の相談ができるメリットがあります。
また弁護士事務所と違い、無料で気軽に法律問題の相談が可能です。
市役所内だからこそのメリットも多い半面、1回の相談時間や利用回数に制限が設けられていることから、複雑な状況の離婚相談には不向きと言わざるを得ません。
今回紹介した市役所や区役所、弁護士事務所、NPO法人よつばなどの無料相談所はどれもメリットとデメリットがあります。
ご自分の状況や希望に合わせて上手く使い分けると良いでしょう。
まだ離婚するか迷っている方や夫婦関係の修復を希望される方、弁護士や探偵の紹介を希望する方はNPO法人よつばにお気軽にご相談ください。
