あなたの権利と離婚後の未来を守るために知っておくべきモラハラを理由とする離婚の慰謝料について

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モラハラ(モラル・ハラスメント)は、見えない形で精神的なダメージを与え、被害者の生活全体に影響を及ぼします。

またモラハラを受けた末に離婚を選択した場合、被害者は慰謝料を請求することが可能です。

しかし、慰謝料の金額はケースバイケースで異なるため、具体的な相場や計算方法をあらかじめ理解しておくことが重要です。

この記事では、モラハラを理由に離婚した際に請求できる慰謝料の目安や、その算定方法について詳しく解説します。

あなたの権利と、離婚後の未来を守るための参考にしてください。

夫婦間のモラハラ(モラル・ハラスメント)とは何か

モラハラとは、配偶者に対して心無い言葉や威圧的な態度、経済的な制限などで精神的な苦しめを与える行為のことを指します。

身体的な暴力はなくても、精神的な嫌がらせが日常的に続けば、それ自体が人権侵害となります。

夫婦間でのモラハラの具体例

夫婦間でよく見られるモラハラには以下のようなものがあります。

このようなモラハラが日常化すれば、被害者は強い不安やストレス、うつ症状などの深刻な精神的ダメージを受けてしまいます。

夫婦間のモラハラには早期に気づき、適切な対処や解決を図ることが重要ですので、以下のリストを確認してみてください。

言葉によるモラハラの例

• 「お前は役立たずだ」「お前は何も分かっていない」など、人格を傷つける暴言
• 重要な話をするも無視され、一方的に黙殺される
• 家事や育児での小さな過ちを理不尽に責め立てられる

人格的な嫌がらせのモラハラ

• 交友関係や趣味、生活習慣などを理由なく過度に制限される
• 外見を理由に常に侮辱の言葉を浴びせられる
• 私物を勝手に見られるなどプライバシーを無視される

経済的な制限

• 家計を一方的に管理され、使える金額を制限される
• 就職や転職を無理やり妨げられ、経済的に従属させられる
• 外出時に財布から金を抜き取られる

精神的なモラハラの例

• 家事や育児の責任を一方的に押し付けられ、過剰な負担を強いられる
• 自分の価値観を押し付けられ、従わされようとする
• 妻(夫)の家事や育児を一方的に非難され、精神的に追い詰められる

モラハラで離婚した場合の慰謝料の相場

モラハラを理由に離婚する場合、被害者は加害者に対して慰謝料を請求することができます。

しかし、モラハラによる離婚での慰謝料には一定の相場はなく、ケースバイケースで金額が変わってくるのが実情です。

モラハラの慰謝料相場としては、50万円から300万円程度が一般的な目安とされています。

しかし、これは単なる一例に過ぎません。具体的な慰謝料額は、以下のような点を総合的に勘案して決定されます。

• モラハラの内容や期間、頻度
• 被害者に残された精神的・身体的なダメージの大きさ
• 加害者側の経済力の有無
• 婚姻年数や子供の有無

過去の裁判例から見る相場

裁判の判例を見ても、事案に応じて慰謝料額は大きく異なってきます。中には300万円を優に超える高額の判例もあれば、50万円を下回る低額の判例もあります。

• 250万円の慰謝料(10年以上に及ぶモラハラで妻がうつ病)
• 100万円の慰謝料(夫のモラハラで妻がうつ状態に)
• 80万円の慰謝料(夫に対する妻の自己中心的態度がモラハラと認定)

モラハラ被害に見合った適正な慰謝料を得るためには、できる限り多くの客観的な証拠を収集し、弁護士に適切に相談することが重要です。

モラハラをした側とされた側、双方の主張を踏まえつつ、裁判所が最終的に金額を決定することになります。

離婚の慰謝料種類との算定方法

離婚に際して慰謝料が発生する場合、2種類の慰謝料が存在し、それぞれ異なる算定方法がとられます。

離婚の慰謝料の2種類

1. 離婚原因慰謝料
2. 離婚自体慰謝料

離婚原因慰謝料とは、配偶者のDV、モラハラ、不倫など有責な行為により、離婚に至ったことで被った精神的・肉体的損害に対する慰謝料です。

一方、離婚自体慰謝料は、離婚により経済的・生活面で被る損失に対する慰謝料を指します。

離婚原因慰謝料の算定方法

離婚原因慰謝料の金額は、加害者の行為の悪質性と被害者の被った損害の大きさから総合的に判断されます。

DVやモラハラなどの重大な行為の場合は、50万円以上の慰謝料が命じられるケースもあります。

離婚自体慰謝料の算定方法

離婚自体慰謝料については、以下の計算式が一般的に用いられています。

• (基本慰謝料120万円 ＋ 相手方年収の3% × 実質婚姻年数) × 有責度 × 調整係数
• 有責度は、離婚原因行為の重大性により0~1で評価される
• 調整係数は、離婚後の経済的困窮度により0.7~1.3で評価される

この計算式から算出された金額が、離婚自体への慰謝料の目安となります。

離婚の際には、上記の2種類の慰謝料請求権がそれぞれ発生するため、最終的な慰謝料額はこの2種類の慰謝料の合算額となります。

証拠を確保しにくいモラハラにおける有力な証拠の集め方

モラハラは、身体的な暴力ではなく言葉や態度による精神的な嫌がらせが多いです。つまり、目に見える形跡を残しにくいのがモラハラの特徴です。

加えて、モラハラは一度きりの出来事ではなく、日常的に繰り返されることで被害者に精神的ダメージを与えていきます。

このように、個々の行為が些細であるためにモラハラに気付きにくく、証拠を残せない方は多くいます。

モラハラの事実を立証する有力な証拠を確保することが難しいのはこのためです。

そこでモラハラの立証において有力となる代表的な証拠とその収集方法を解説します。

録音・録画データ

言葉による暴力や威圧的な態度といったモラハラ行為を録音・録画したデータは最も直接的で説得力のある証拠になります。スマートフォンのボイスレコーダー機能を使って録音するのがおすすめです。

メール・SNSのメッセージ記録

メールやSNSでのメッセージのやりとりの記録にモラハラ発言が含まれていれば、大変有力な証拠になります。データが改ざんされていないことが重要です。

日記・メモでの記録

モラハラを受けた日時、場所、内容を手書きの日記やメモに詳細に記録しておくことで、加害者の発言内容を立証できます。メモは改ざん防止の観点からも紙が望ましいでしょう。

医療機関の診断書や領収書

モラハラに起因する心身の症状が現れた場合、医療機関を受診した診断書や領収書は、被害の立証材料として大きな意味を持ちます。症状の具体的内容も記録しておきましょう。

関係者やカウンセラーの証言

モラハラを家族や友人、カウンセラーなどの第三者に相談していた場合、彼らの証言も補助的な証拠となる可能性があります。

このように様々な方法で、できる限りモラハラの証拠を確保しておくことがポイントになります。客観的かつ具体的な証拠の有無が、慰謝料の認定に大きな影響を与えることを覚えておきましょう。

離婚問題に詳しい弁護士への相談をおすすめします

モラハラを理由とする離婚は、感情的にもストレスが非常に大きく、一人で適切に対処することは辛く厳しいものです。

そのため、確実に慰謝料を請求したのであれば、専門家である弁護士への相談がおすすめです。

まず、モラハラは証拠を確保しづらい特性があり、被害者一人では有力な証拠を集めるのが難しい傾向にあります。

弁護士なら、どのような証拠が説得力を持つのかアドバイスしてくれます。例えば、録音データ、メッセージ記録、医療機関の診断書などを収集するようアドバイスしてくれるでしょう。

また、慰謝料は様々な要素から金額が判断されますが、弁護士なら過去の裁判例を踏まえ、あなたのケースでどの程度の慰謝料が望めるのかを的確に説明してくれます。

金額をめぐって話し合いが難航した際も、法的根拠に基づいた交渉力で、スムーズな解決に向けて代理人として尽力してくれるでしょう。

さらに離婚には、慰謝料請求以外にも財産分与、親権、養育費など複雑な法的問題が絡んできますが、弁護士に一任すれば、これら全ての手続きを適切に代行してもらえます。

離婚を検討している初期段階から専門家のサポートを仰ぐことで、法的なリスクやデメリットを最小限に抑えることができます。

記事まとめ

モラハラを理由に離婚する場合、適切な慰謝料を請求することは被害者の権利です。

慰謝料の金額は、モラハラの内容や期間、被害者の受けたダメージなどに基づいて決まります。

正当な慰謝料を得るためには、モラハラによる離婚の具体的な相場を理解し、証拠をしっかり集めることが重要です。

また、モラハラに関する問題は目に見えにくい特徴があります。一人で悩まず、専門家の助けを借りて解決を目指しましょう。

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