市役所や区役所以外で無料で離婚相談ができる窓口も紹介
離婚を考えている人や離婚手続きに関する情報が必要な場合は、まずは市役所や区役所の離婚相談窓口を活用することをおすすめします。
市役所や区役所では、法的な手続きや財産分与、親権など離婚に関するさまざまな離婚問題について専門家からのサポートを受けることができるのです。
この記事では、市役所・区役所の離婚相談窓口のサポート内容をはじめ、利用するメリットとデメリットを詳しく説明します。
市役所以外で無料相談できる窓口も紹介しますので、記事を読んで「市役所や区役所の離婚相談は自分に合わなそう」と思われた場合は、他の無料相談窓口もご検討ください。
市役所・区役所の離婚相談窓口とは
市役所や区役所の離婚相談窓口は、離婚を検討している夫婦や離婚手続き中の方々が、離婚に関わる様々な事柄について相談できる公的な窓口です。
この窓口では、まず離婚手続きの方法について、離婚届の提出方法や必要書類、法的な手続きなどを詳しく説明してくれます。
また、相談員は離婚に関する法律の専門家なので、離婚の際の権利義務、財産分与、親権といった法的側面に関しても適切なアドバイスを提供してくれます。
さらに、離婚後の生活設計について、住居の確保、生活費の見込み、子どもの養育などの具体的な支援策を一緒に考えることができます。
離婚は精神的にも大きな負担があるため、相談窓口では心理的なケアやカウンセリングも行っており、精神的なサポートも充実しています。
市役所・区役所の離婚相談のサポート内容・相談できること
市役所や区役所の離婚相談では、以下のようなことが相談できます。
- 離婚トラブルの解決方法
- 配偶者の行為への慰謝料請求の可否
- 慰謝料請求額の見込み
- 弁護士事務所への相談の必要性
- DVから逃れる方法
- 養育費請求の進め方
- 親権獲得の手続きの確認 など
なお、離婚協議書の作成や内容のチェックをはじめ、進行中の裁判手続きに関する具体的な対応については相談できないため、このようなことを相談したい場合には弁護士への相談を検討しましょう。
市役所や区役所の離婚相談を活用するメリット
市役所や区役所の離婚相談を活用するメリットとして、まず何よりも経済的な負担が少ないことが大きいでしょう。
市区の相談窓口は無料で利用でき、民間の弁護士の離婚相談に比べてはるかに費用が抑えられます。経済的に余裕のない人でも気軽に相談できるのが強みです。
また市区の相談員は、離婚トラブルなら弁護士、離婚を検討中の場合や夫婦のお悩みはカウンセラー、というように、離婚に関する知識と経験を持った専門家なので、的確なアドバイスを受けられます。
法的な側面に加えて、年金や扶養、住民票の手続きなど、離婚に伴う様々な手続きについても分かりやすく説明してもらえます。
さらに、市役所の相談窓口は中立的な立場から助言を行うため、夫婦のどちらかの主観に偏ることなく公平な対応をしてくれます。
相談内容についても厳重にプライバシーが保護されるので、安心して相談できるでしょう。
市役所や区役所の離婚相談を活用するデメリット
市役所や区役所の離婚相談を活用する際には、いくつかのデメリットも存在します。
まず、相談時間が限られていることが挙げられます。多くの市区役所では、離婚相談は平日の昼間の時間帯に限定されており、夜間や休日には対応していません。
また、予約の取りづらさや、相談員の数が限られていることから、希望する日時に十分な時間を取れない可能性があります。
担当弁護士を選べない点や相談した弁護士にその場で直接依頼できない点もデメリットでしょう。
加えて、市区の相談は一時的なものであり、継続的なフォローが難しいというデメリットもあります。離婚は長期に渡るものですが、市役所の相談窓口では長期的なサポートは期待できません。
このように市役所や区役所の離婚相談にはデメリットもあるため、市区の相談を有効に活用しつつ、必要に応じて民間のサポートも検討することが重要です。
メリット、デメリットを踏まえた上で、様々なサービスを組み合わせることをおすすめします。
市役所や区役所以外で無料相談できる窓口一覧
ここまで、市役所や区役所の離婚相談窓口について紹介してきましたが、市役所だけでなく、他にも多くの無料相談窓口が存在します。
ここ記事では、法律相談から心理的サポートまで、市役所以外で利用できる無料相談窓口をご紹介します。
法テラス
法テラスは、国が設立した法的トラブル解決のための総合相談窓口です。離婚をはじめ、多様な法的問題について相談を受け付けています。
法テラスでは、離婚に関する以下のような疑問に対して、それぞれの事情に合わせて最適な解決策を一緒に検討してくれます。
- 親権者をどちらにするか
- 養育費の金額や支払い方法
- 別居中の面会交渉権
- 財産分与の方法
- 婚姻費用の分担
- 配偶者の浮気への慰謝料請求 など
匿名で相談できる点や、経済的に余裕のない人でも無料で活用できる点がメリットです。離婚は複雑な問題が多いので、早めに相談することをおすすめします。
離婚相談の流れ
法テラスでの離婚相談の流れは以下の通りです。
- 法テラス川向けダイヤル(0570-078374)へ電話。 専門のオペレーターが状況を聴き取り、トラブルの整理や法制度の説明、適切な相談窓口を無料で案内します。
- 経済的に余裕がない場合、弁護士との無料法律相談を受けられます。 収入や預金残高が一定額以下であれば、同じ問題について最大3回まで無料相談ができます。
- 弁護士に依頼する場合は、費用の立替え制度を利用できます。要件を満たせば、弁護士費用を法テラスが立て替え、分割で返済することができます。
- 弁護士とともに、離婚の解決に向けて進めていきます。
弁護士会の法律相談センター
弁護士会の法律相談センターでは、離婚や親子関係などの家族問題について、専門の弁護士から法的なアドバイスを受けることができます。
相談できる主な内容は以下の通りです。
- 離婚手続き(協議離婚、裁判離婚)の方法、必要書類、費用などを説明
- 財産分与、年金分割の相談
- 親権、面会交渉権の相談
- 離婚後の生活設計(住居、生活費、税金など)の相談
- 婚姻費用分担、子どもの養育費の相談
相談は30分程度で、個人情報は厳守されます。
なお、東京都内には複数の法律相談センターがあり、事前予約が基本となっています。
離婚は法的にも精神的にも複雑な問題が多いため、弁護士の専門的なアドバイスを受けられる法律相談センターの活用も検討してみましょう。
よりそいホットライン
よりそいホットラインは一般社団法人 社会的包摂サポートセンターの相談窓口です。
離婚に関する法的手続きの相談や、具体的な弁護士への依頼までは相談できないものの、DV被害から逃れる方法の相談や、精神的なサポートを受けることができます。
24時間無料相談が可能で、匿名で相談することができます。また、プロの相談員がカウンセリングを担当してくれるので安心して相談してみましょう。
よりそいホットラインで対応してもらえる相談内容は以下の通りです。
- 一般的な生活の困り事全般
- 配偲者からのDV被害
- 性暴力被害
なお、先述した通り、法的な対応や弁護士紹介まではできないため、離婚に関する法的な支援を求める場合は、他の専門機関への相談が必要です。
こころの健康相談統一ダイヤル
こころの健康相談統一ダイヤルは、自殺念慮や精神的につらい状況にある方が、精神保健福祉の専門家に相談できる全国共通の窓口です。
全国共通の電話番号は「0570-064-556」で、電話をかけた所在地域の公的な相談機関に接続されます。
以下のような離婚に伴う精神的なケアが必要な場合にも、まずはここに相談するのが良いでしょう。
- 自殺の念があるとき
- 不安で心の整理がつかないとき
- 生きるのがつらい、消えてしまいたいと感じるとき
なお、離婚の法的手続きや具体的な対応策については対応していない点に注意が必要です。
離婚以外の選択肢も含めて考えたい場合には「NPO法人よつば」へ
離婚を考えたとき、多くの人がその選択の重大さに戸惑いや不安を感じるものです。
特に、解決が見えにくい夫婦間の問題を抱えている場合、どう進むべきかを判断するのは一層難しくなります。
NPO法人よつばでは、そうした方々に対して、離婚という選択肢だけでなく、他の可能性にも目を向けたサポートを行っています。
私たちNPO法人よつばは、離婚を含むすべての選択肢を広く検討するあなたをサポートします。
結婚生活における問題は多岐にわたり、時には夫婦間のコミュニケーション不足や誤解が原因であることも少なくありません。
私たちは、専門のカウンセラーや家庭問題に詳しい専門家を通じて、夫婦が直面している問題の根本に迫り、具体的な解決策を提案します。
相談先にお悩みの方の場合は、まずはNPO法人よつばの離婚相談をご利用ください。
記事まとめ
この記事では、市役所や区役所の離婚相談窓口について詳しく紹介しました。
市役所や区役所の離婚相談窓口は無料で手軽に利用できるため、離婚を検討している人には心強い助けとなります。
専門家からの法的アドバイスや心理的なサポートを受けることができるのは大きなメリットですが、相談時間に制限があったり、予約が取りづらい点など、いくつかのデメリットもあります。
公的なサービスと民間の支援をうまく組み合わせることで、離婚手続きをスムーズに進めることがおすすめです。
ひとりで悩まず、お気軽に専門家や公的機関にご相談ください。